2015 Fiscal Year Research-status Report
国際宇宙ステーションからの長期流星観測による流星群母天体の物理化学特性の解明
Project/Area Number |
15K13604
|
Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
荒井 朋子 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 上席研究員 (10413923)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 流星群 / 国際宇宙ステーション / 超高感度ハイビジョンカメラ / 流星群母天体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、国際宇宙ステーションの米国与圧実験棟内の観測用窓越しに、超高感度カラーハイビジョンカメラを用いて、二年間流星群の観測を行うものである。流星発光の輝度や飛跡から流星塵のサイズやフラックスを調べると共に、回折格子をレンズの前に取付け流星発光の輝線の分光観測を行い、流星塵の化学組成を調べる。観測から得られる流星群の流星塵の物理化学特性をもとに、各流星群母天体の特性と起源の解明を目指す。 本研究計画の申請時、観測用カメラ(以下、メテオカメラ)は2014年10月28日、オービタル・サイエンシズ社のシグナス補給船運用3号機に搭載され、同社で開発したアンタレスロケットで打上げられ、2015年から観測開始予定であった。しかし、打上げ直後の爆発により計画は中断した。事故直後からカメラの予備機を整備し、メテオカメラ2号機の開発及び上記の環境試験を速やかに行い、2015年6月28日、スペースX社商用補給機ドラゴン7号機に搭載され、同社開発のファルコン9ロケットにより打ち上げられたが、打上げ約二分後の爆発により再度失われた。事故直後から、2号機と共に開発していた予備機を整備すると共に、レンズの変更と改良を行い、メテオカメラ3号機を完成させ、2016年3月23日にシグナス補給船運用6号機に搭載されユナイテッド・ローンチ・アライアンスのアトラスVロケットで打ち上げ、3月26日に無事ISSに到着した。平成28年度5月末までにメテオカメラの設置及び初期動作確認を行い、6月から観測開始予定である。上記の事情により平成27年度は観測が実施できなかった。 メテオカメラ3号機の開発と平行して、カメラの地上校正測定を行った。取得した映像から流星の正確な発光強度を定量的に求めるため、打上げ前に国立極地研究所の積分球光源を使った光学性能測定を行い、暗時出力特性、S/N比、リニアリティ、素子間感度偏差等の評価を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
観測に使用する超高感度ハイビジョンカメラ(メテオカメラ)を国際宇宙ステーションに打ち上げるためのロケットが二度にわたり爆発事故を起こし、平成27年度は研究を開始できなかったため。なお、平成27年度3月に三度目の打ち上げにして無事国際宇宙ステーションに届けられたため、6月から観測を開始する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
5月末までに観測用カメラ(メテオカメラ)の国際宇宙ステーションへの設置及び初期動作確認を行い、6月から観測を開始する予定である。観測標的である主要流星群は次の通り。みずがめ座δ流星群(活動極大期7/28)、ペルセウス座流星群(活動極大期8/12)、オリオン座流星群(活動極大期10/21)、おうし座流星群(活動極大期:南群11/5、北群11/12)、しし座流星群(活動極大期11/17)、ふたご座流星群(活動極大期12/14)、しぶんぎ座流星群(活動極大期1/3)。これらの流星群の流星塵の発光輝度や飛跡から流星塵のサイズやフラックスを調べると共に、回折格子をレンズの前に取付け流星発光の輝線の分光観測を行い、流星塵の化学組成を調べる。得られた流星群の流星塵の物理化学データをもとに、各流星群母天体の特性と起源の解明を目指す。
|
Causes of Carryover |
観測に使用する超高感度ハイビジョンカメラ(メテオカメラ)を国際宇宙ステーションに打ち上げるためのロケットが二度にわたり爆発事故を起こし、平成27年度は研究を開始できなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年3月に三度目の打ち上げにして無事国際宇宙ステーションに届けられたため、6月から観測を開始し、今年度から研究計画を遂行する予定である。
|
Research Products
(5 results)