2015 Fiscal Year Research-status Report
三次元パターンを用いた曲率認識タンパク質群の単一細胞スクリーニング
Project/Area Number |
15K14493
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
角南 寛 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 特命教授 (50374723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 明一 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 特命助教 (00733635)
石田 昌義 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 特命助教 (50643251)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞足場 / 細胞膜 / 曲率認識 / 細胞接着 / 細胞遊走 / 再生医工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
三次元パターンを用いて細胞膜をカーブさせ、カーブに曲率認識タンパク質が局在するかどうかを調査している。その結果、曲率認識のあるAmphiphysin(F-BAR)が直径50 nmのカーブに集積することが確認された。この現象は、カベオラを形成するカベオリンでも確認されており、三次元パターンによって曲率認識タンパク質の局在を制御できることを示唆している。そこで我々は、単一細胞内にさまざまな曲率のカーブを創ることができる三次元パターンを設計し、フォトリソグラフィーを用いて作製した。このパターンは一枚の基板にさまざまな曲率のカーブを有し、この上に播種された細胞はパターンのカーブに合わせて細胞膜をカーブさせた。本年度は、こういった三次元パターンを用いて、単一細胞内にさまざまな曲率のカーブを創る実験を行った。細胞膜のカーブの曲率は、三次元パターン上で培養された細胞を共焦点顕微鏡で三次元的に観察することで評価された。その結果、NIH3T3、HaCaT、MEF、HeLa、HUVECs、ADSCsなどの単一細胞内にさまざまな曲率のカーブを創るのに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の最大の関門である、単一細胞内にさまざまな曲率のカーブを創ることができる三次元パターンの作製に成功したため、概ね順調に進展していると思われる。今後は、各膜タンパク質のGFP融合体を三次元パターン上の細胞に発現させ、その発現部位を膜のカーブの曲率とあわせて観察するだけである。
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Strategy for Future Research Activity |
各膜タンパク質の曲率選択性を、生きた細胞を用いて調べる。BAR、EFC/F-BAR、IMD、ALPS、Caveolinなどのドメインを有するGFP融合タンパク質を三次元パターン上の細胞に発現させ、その発現部位を膜のカーブの曲率とあわせて観察する。さまざまな曲率のカーブを単一細胞内に創り出すことで、カーブの曲率を認識するタンパク質を効率よくスクリーニングできると考えている。膜受容体の曲率選択性の調査 五十嵐靖之特任教授(北大院先端生命)、光武進准教授(佐賀大農)らと共同で、EGF受容体やインスリン受容体などのカーブへの局在を調べる。EGF受容体やインスリン受容体が膜のカーブによって活性を変化させることが報告されおり((LuらJBC (2009)、FotiらPNAS (2007)、SonninoらFEBS Lett. (2009))、これらがカーブに局在している可能性も非常に高い。
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Causes of Carryover |
実験場所の変更および機器の移設のため研究できない時期が4ヶ月程度発生した。そのため、消耗品の発注が滞り、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
休日を利用して研究を推進する予定である。
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