2017 Fiscal Year Annual Research Report
Control of rectal volume with Kampo formula during prostate radiotherapy: A prospective study
Project/Area Number |
15K14970
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田原 誉敏 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (30548772)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 前立腺癌強度変調放射線治療 / 直腸体積軽減 / 漢方薬内服 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺癌における強度変調放射線治療の適応のある患者で同意を得た症例に対し、大建中湯投与群と、大建中湯非投与群に分けて放射線治療前のCT撮像を行った。最終年度も症例蓄積を継続して行い、最終的に30症例の症例蓄積を行うことができた。1例につき、放射線治療は39回施行されるため、放射線治療直前のCTを全例に撮像し、1170回のCTデータを集積可能であった。 研究方法としては、大建中湯投与の有無を知らされていない放射線診断医が、独立してCT画像の直腸壁を同定し、照射範囲の直腸を同一基準(尿生殖隔膜から頭側に8cmまでの直腸壁)により体積確定を行った。ワークステーションで放射線治療毎の照射範囲の直腸体積計算、統計解析を行った。 研究結果は、大建中湯投与群の直腸体積 44.68-63.46 (mean 53.42) mm3 であり、非投与群の直腸体積は 52.41-142.57 (mean 81.27) mm3 であった。大建中湯投与群は非投与群に比較し、有意(P < 0.0001 .)に直腸体積を減少させることができた。大建中湯により前立腺癌の強度変調放射線治療による直腸障害を減じる可能性が示唆された。 研究意義としては、前立腺の照射部位における直腸体積を減じることは放射線治療後の有害事象である直腸出血を減じることが出来るとされており、漢方薬により前立腺癌の放射線治療による直腸障害を減じる可能性に言及した初めての研究であり、CTを用い数値解析、定量化した点も重要であると考える。 前立腺癌の放射線治療による障害は、治療後1年から数年後に起こることが報告されており、今後は上記の症例を長期間かけて経過を観察する必要があり、再度長期的な研究成果として報告しなければならないと考える。
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Research Products
(2 results)