2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new treatment against invasive fungal infection by S-nitrosated protein
Project/Area Number |
15K15383
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
金城 雄樹 国立感染症研究所, 真菌部, 室長 (20570831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 徹 熊本大学, 薬学部, 教授 (90423657)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 感染症 / 真菌 / 抗真菌薬 / 内科 / 薬学 |
Outline of Annual Research Achievements |
侵襲性真菌感染症は積極的な抗真菌薬治療でも致死率が高い。また近年、主要な抗真菌薬に耐性を示す真菌の出現やCandida auris感染の院内伝播が問題となっている。そのため有効性の高い新しい抗真菌薬の開発が必要である。本研究では、難治性真菌感染症の治療効果改善を目指して、医学研究者と薬学研究者の協力により、現行の抗真菌薬とは作用機序の異なる新しい治療法の開発を目指して解析を行った。真菌の排除に重要な一酸化窒素の安定型供与体として、新しく開発したS-ニトロソ化蛋白を用いて、カンジダ属、アスペルギルス属やクリプトコックス属などの主要真菌に対する抗真菌活性を解析した。
S-ニトロソ化蛋白の抗真菌活性を明らかにするため、標準的抗真菌活性の評価法であるCLSI法に準じて、カンジダ属、クリプトコックス属及びアスペルギルス属に対する薬剤感受性試験を行った。また、S-ニトロソ化蛋白の薬剤耐性菌に対する抗真菌活性についても解析を行った。S-ニトロソ化蛋白は、C. aurisを含むカンジダ4菌種、クリプトコックス属2菌種及びAspergillus fumigatusに対して増殖抑制効果を示した。また、主要抗真菌薬のエキノキャンディン系やアゾール系に対して耐性を示すカンジダ属やアスペルギルス属の菌株に対しても、S-ニトロソ化蛋白の抗真菌活性を認めた。また、S-ニトロソ化蛋白はカンジダ属真菌に対して、ミトコンドリア膜電位を低下させ、活性酸素の産生を誘導した。さらに、走査型電顕による解析から、S-ニトロソ化蛋白はカンジダ属真菌に対して殺真菌活性をもたらすことが示唆された。
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