2015 Fiscal Year Research-status Report
性同一性障害当事者の全エクソーム解析によるバイオマーカー開発の基盤構築
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15K15433
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
仲地 豊 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (10522097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金沢 徹文 大阪医科大学, 医学部, 講師 (20534100)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 性同一性障害 / 性別違和 / 全エクソーム解析 / 全ゲノム解析 / 変異・多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題研究は全エクソーム解析による研究計画だったが、他の研究グループから遺伝子近傍やイントロン領域などエクソン領域以外にみられる反復配列多型が性同一性障害(性別違和)との関連を示唆する報告があった。本課題研究の手法ではエクソン領域以外の配列は検出できない。そのため全エクソーム解析から全ゲノム解析に移行する必要がある。予備解析として全ゲノム解析による検討をおこなった結果、エクソン領域だけでなくイントロン領域や遺伝子間領域における多型のある反復配列領域の検出が十分可能であったため、共同研究者間にて協議し、次年度は全てのサンプルを全エクソーム解析から全ゲノム解析に移行して研究を推進することとした。 また先行しておこなった全エクソーム解析の結果の一部については、第35回日本性科学会学術集会、BMB2015(第38回日本分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会合同大会)、GID(性同一性障害)学会第18回研究大会にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全エクソーム解析を念頭に研究計画を立案していたが、他の研究グループから遺伝子近傍やイントロン領域の反復配列に存在する多型と性同一性障害(性別違和)との関連を示唆する報告があった(Fernandezら J Sex Med 2015, Shabirら Andrology 2015, Fernandezら J Sex Med 2014)。本課題研究の研究計画ではエクソン領域の配列は検出できない。そこで全ゲノム解析に切り替えるための予備解析と検討を先におこなったため、進捗がやや遅れることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
実際に全ゲノム解析をおこないエクソン領域以外の反復配列多型などを検出可能かを調べたところ、良好な検出結果が示せたため、全エクソーム解析を予定していたサンプルをすべて全ゲノム解析に移行することを共同研究者間で協議して合意した。今後はエクソン領域以外の変異や反復配列にみられる多型や変異にも対応するため、本計画で解析予定のサンプルを全エクソーム解析から全ゲノム解析に手法を切りかえて解析をおこなう。サンプル数が当初の計画より減少するが、学術的価値と関連分野の進捗具合などを考慮し全ゲノム解析での推進を優先することとした。
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Causes of Carryover |
既存計画では検出できないエクソン領域以外の反復配列や多型を検出するため、研究計画を全エクソーム解析から全ゲノム解析に切り替える。そのため初年度に予定していた全エクソーム解析をとりやめ、次年度に全ゲノム解析分として使用するために集約したことが、本課題研究で次年度使用額が生じた理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に、1サンプル200千円で10サンプル分の全ゲノム解析(Hiseq 2500またはHiseq X, >30coverage)計2,000千円を使用する計画に変更した。
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Research Products
(3 results)