2015 Fiscal Year Research-status Report
2型糖尿病と運動機能障害を併せもつロコモ予備軍患者への運動支援モデルの検討
Project/Area Number |
15K15834
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
吉田 恵理子 長崎県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (00284638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 理香 活水女子大学, 健康生活学部, 教授 (30312838)
永峯 卓哉 長崎県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (70326487)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 2型糖尿病 / 運動機能障害 / ロコモティブシンドローム予備軍 / 運動支援モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
2型糖尿病患者のロコモの実態を明らかにすることを目的に、日本整形外科学会公認のロコモ度テスト(「立ち上がりテスト」による下肢筋力判定、「2ステップテスト」による歩幅判定テスト、「ロコモ25」自記式質問紙(25項目))を実施した。対象は、研究の趣旨を理解し、研究参加への同意が得られた外来通院中の糖尿病患者とした。 結果、男性70人(平均68.7±11.0歳)、女性75人(平均71.5±8.7歳)、計145人(平均70.1±9.9歳)に調査を実施した。対象者のBMIは、男性24.5±3.7、女性24.2±4.1であった。 ロコモ度判定結果は、①「立ち上がりテスト」では、ロコモ度1:76人(52.4%)、ロコモ度2:19人(13.1%)、対象外:44人(30.3%)であった。②「2ステップテスト」では、ロコモ度1:39人(26.9%)、ロコモ度2:33人(22.8%)、対象外:63人(43.4%)であった。③「ロコモ25」では、ロコモ度1:38人(26.2%)、ロコモ度2:37人(25.5%)、対象外:70人(48.3%)であった。 これら3つのロコモ度テストから総合的に判定した結果はロコモ度1:58人(40.0%)、ロコモ度2:56人(38.6%)、対象外:31人(21.4%)であった。ロコモ度別の性別、年齢、BMIでは、ロコモ度1:男性30人(42.9%)、女性28人(37.3%)、平均69.2±9.2歳、BMIは平均24.1±3.0であった。ロコモ度2では、男性18人(25.7%)、女性38(50.7%)、平均73.6±9.3歳、BMIは平均25.0±5.1であった。対象外では、男性22人(31.4%)、女性9人(12.0%)、平均65.5±10.2歳、BMIは平均23.6±2.8であった。ロコモ度が上がるにつれて、女性が多く、年齢は高くなり、BMIも大きくなっていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力病院であるA病院での申請時の予備調査では1回の外来での調査対象が20名から30名であったが、病院の機構改革により、対象者が、1回に2名から15名と研究計画時点の二分の一以下となったことにより、予定の研究対象が期間内に得られなかった。 また、B病院においては、外来担当医師の転勤、新任者との再調整、倫理委員会の申請に時間を要し、さらに病院の増改築による外来での調査場所が確保できなかったことにより平成27年度の調査が実施できなかった。 これらの理由により、研究の進捗がやや遅れているが、平成28年度5月より、これらの遅延理由は解消している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、平成27年度の研究協力病院であったA病院とB病院での調査を継続するとともに、協力機関を増やし、可能な限り対象の確保に努める。 また、平成27年度の調査において、ロコモ予備軍が対象者の80%と当初の予想よりもはるかに多く、平成28年度に予定している糖尿病と運動機能障害を併せ持つ、ロコモ予備軍の対象が早期に得られるため、スクリーニング予定対象を700人に削減し、計画を進める予定である。平成28年度はロコモ予備軍のスクリーニング後、対象に対し体力等の測定を4月から開始する予定であったが、9月以降に計画を修正し、研究を遂行する予定である。 スクリーニングの結果は、A病院の対象についての結果は平成28年度、全体の結果は平成29年度の学会において報告予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度は研究の進捗が予定より遅れたため、対象者への謝品、測定補助・データ入力アルバイト、旅費等すべてにおいて、使用額が予定に見たなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、協力施設を増やし調査を進める。また、スクリーニングで得られたロコモ予備軍の対象に対し、体力測定を実施するために、内転外転筋力測定器、足指筋力測定器などの機材を予定通り購入予定である。さらに事前に計画している学会の旅費の支出については予定通り支出予定である。
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