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2015 Fiscal Year Research-status Report

自然観光資源の持続的管理に資する政策手法の実証分析:間接的手法に着目して

Research Project

Project/Area Number 15K16159
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

田中 俊徳  東京大学, 新領域創成科学研究科, 特任助教 (30612452)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords自然観光資源 / エコツーリズム / 自主ルール / ガイド認定制 / 環境協力税 / 環境ガバナンス / 持続可能な観光 / 保全利用協定
Outline of Annual Research Achievements

本年は沖縄振興特別措置法に定められる保全利用協定を事例として、間接的政策手法のうち、「自主ルールの承認」に着目した研究を行った。その成果として、9月に環境経済・政策学会(於京都大学)において「ソフトローで自然観光資源を守ることはできるか?-沖縄振興特措法に基づく保全利用協定を対象とした環境ガバナンスの研究」と題する口頭発表を行い、討論者や参加者から有益な助言を得ることができた。
また、二年目に実施する予定であったガイド認定制の研究を前倒しして開始し、屋久島とハワイ(オアフ島)にて聞取り調査及び資料収集を行った。屋久島では、1998年以来、模索されてきたガイド認定制が紆余曲折を経て2015年に合意された。資料収集によって、その内容(認定の条件や行政と協議会の役割分担、費用負担など)について情報を得ることが出来た。また、ハワイでは、ガイド事業の認定を行っているハワイエコツーリズム協会の理事長や理事、ハワイ大学教授らを交えたワークショップを実施し、日本とハワイにおけるエコツーリズムの現状に関する情報交換を行うなど、二年目以降の調査に対する人脈形成を行うことが出来た。
本研究のもう一つの目的である社会実装に関しては、「奄美・琉球」の世界遺産登録を目指している徳之島町が実施するエコツーリズム講習会の講師として講演を行なった。また、一般向け雑誌である『グリーン・パワー』に連載している「自然環境政策の最先端を探る」においてもエコツーリズムを取り上げるなど、研究で得た知を社会に還元するよう努めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

一年目の主たる目的としていた保全利用協定の調査及び学会での口頭発表を行った。また、二年目の調査対象であったガイド認定制については、前倒しして開始することができた。一方、一年目に想定していた保全利用協定に関する論文執筆には、更なるデータの取得が必要である。とりわけ、本事例が有し得る理論面に対する含意を導くためには、まとまった文献調査が求められるため、引き続き、努力する。
本研究のもう一つの目的である社会実装については、委員会等で助言、提言するにとどまらず、住民に近い立場で講演を行ったり、一般向けの雑誌で事例を紹介するなど、所期の成果をあげることができた。引き続き、鋭意努力を行う。

Strategy for Future Research Activity

二年目となる本年は、当初の予定通り、ガイド認定制に着目して、更なる情報収集、データ取得を行う。とりわけ、認定に生じる費用や公私協働の構造、政府のコントロール性に関する比較分析を実施する。認定制には、政府が一元的に実施するケース(許可制)、民間が実施する認定制を政府が推奨・支援を行うケース(協調モデル)、民間が付加価値創出として実施するケース(市場モデル)があり、それぞれのケースを類型化したうえで、取引費用や実効性に関する実証的なデータを得ることが求められる。屋久島とハワイを引き続き調査対象地とし、ハワイ大学の研究者との共同研究も視野に推進する。屋久島には八月、ハワイには九月に長期滞在できるよう日程を確保している。
また、一年目に研究対象とした保全利用協定(自主ルールの承認)についても、引き続き、データの取得につとめ、文献調査を強化したうえで、学会誌に投稿できるよう努める。社会実装については、引き続き、講演会や委員会、一般向けの雑誌やメディアを通じて積極的に発信する。

Causes of Carryover

他機関の研究助成金を併せて用いたことで、当初予定額よりも35万円ほど次年度繰越が生じた。また、一年目に購入予定であったノート型パソコンとデジタルカメラも旧来より使用しているものを継続して使用したため、15万円ほどを繰り越すこととなった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

継続使用しているノート型パソコン、デジタルカメラともに老朽化が激しいため、今年度に購入予定である。また、前年度からの繰り越し費用35万円ほどは、ラムサール条約登録湿地における利用ルールの形成・執行について国際会議にて発表する際に活用する予定である。

  • Research Products

    (10 results)

All 2016 2015 Other

All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] 国際的な自然保護制度を対象とした国内ネットワークの比較研究‐世界遺産条約、ラムサール条約、ユネスコMAB計画、世界ジオパークネットワーク‐2016

    • Author(s)
      田中俊徳
    • Journal Title

      日本生態学会誌

      Volume: 66(1) Pages: 00

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] ラムサール条約の国内実施における意思決定構造と情報共有の枠組み:公私協働ネットワークと部分社会ルールに着目して2016

    • Author(s)
      田中俊徳
    • Journal Title

      人間と環境

      Volume: 42 (1) Pages: 2-16

    • DOI

      10.5793/kankyo.42.2

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 自然環境政策の最先端を探る・パラオの環境税(1)2015

    • Author(s)
      田中俊徳
    • Journal Title

      グリーン・パワー

      Volume: 440 Pages: 8-9

  • [Journal Article] 自然環境政策の最先端を探る・パラオの環境税(2)2015

    • Author(s)
      田中俊徳
    • Journal Title

      グリーン・パワー

      Volume: 441 Pages: 8-9

  • [Journal Article] 「緑の三角形」を創る:法と歴史と政策の百年2015

    • Author(s)
      田中俊徳
    • Journal Title

      国立公園

      Volume: 737 Pages: 20-23

  • [Journal Article] 自然環境政策の最先端を探る・コスタリカの森林政策2015

    • Author(s)
      田中俊徳
    • Journal Title

      グリーン・パワー

      Volume: 443 Pages: 8-9

  • [Presentation] 徳之島から世界へ~持続可能なエコツーリズムの方法と戦略~2016

    • Author(s)
      田中俊徳
    • Organizer
      徳之島町エコツーリズム講習会
    • Place of Presentation
      徳之島町前川生活館
    • Year and Date
      2016-03-27
    • Invited
  • [Presentation] Building national-level network for synergizing International Designated Areas2016

    • Author(s)
      Tanaka, Toshinori
    • Organizer
      4th World Congress on Biosphere Reserves
    • Place of Presentation
      Lima Convention Center
    • Year and Date
      2016-03-14 – 2016-03-17
  • [Presentation] ソフトローで自然観光資源を守ることはできるか?-沖縄振興特措法に基づく「保全利用協定」を対象とした環境ガバナンスの研究2015

    • Author(s)
      田中俊徳
    • Organizer
      環境経済・政策学会2015年大会
    • Place of Presentation
      京都大学
    • Year and Date
      2015-09-18 – 2015-09-20
  • [Remarks] researchmap

    • URL

      http://researchmap.jp/read0141050/

URL: 

Published: 2017-01-06  

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