2017 Fiscal Year Annual Research Report
Hair Colouring by Dyestuffs from Biobased Materials and Functions
Project/Area Number |
15K16185
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Research Institution | College of Industrial Technology |
Principal Investigator |
松原 孝典 産業技術短期大学, 機械工学科, 講師 (40735536)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 天然由来材料 / 染毛 / ヘアカラーリング / 酸化反応 / バイオカテコール / バイオベースマテリアル / 毛髪の光劣化抑制 / 白髪染め |
Outline of Annual Research Achievements |
正電荷をもつバイオカテコールということで、アントシアニン色素の利用を試みた。アントシアニン色素にはムラサキイモを由来とするものとし、前年度に見出した過ヨウ素酸ナトリウムとの組み合わせで染色した。アントシアニン色素で処理したのちに過ヨウ素酸ナトリウムで参加するという手法である。その結果、カテキン類などのバイオカテコールとは異なり、紫みを帯びた色に染色できた。温度やpHの染色条件と染色性の関係を調べ、色調幅を大きくすることができることがわかった。アントシアニン色素はカテキン類と近い構造をもち、フラボノイド類に含まれる。カテコール構造とクロマン構造やその類似構造をもつ物質であるフラボノイド類はタンパク繊維の染色に有用であることが分かった。 一方、毛髪は太陽光に含まれる紫外線によって、機械的強度の低下、光沢の低減、タンパク質量の減少など、光劣化する。そのようなところ、カテキン類などのバイオカテコールは抗酸化性や紫外線吸収性が高いが、それらは酸化により増大する。そこで、カテキン類の酸化物を含む緑茶抽出物で毛髪を処理し、紫外線による劣化抑制ができないか評価した。紫外線照射後、クリープメータによって引張試験を実施し、その破断強度、破断ひずみ、ヤング率を計測したところ、未処理毛髪は紫外線により破断ひずみが10%程度低下するが、緑茶抽出物処理すると、そのような低下が見られなかった。したがって、本研究によるバイオカテコールの酸化による染色法は毛髪の染色だけでなく、毛髪の光劣化の抑制の効果をもたらすことが見出された。
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