2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research to develop the new treatment for motor paralysis in maintenance period of stroke
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15K16378
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Research Institution | Osaka Health Science University |
Principal Investigator |
木村 晃大 大阪保健医療大学, 大阪保健医療大学 保健医療学部, 講師(特任) (30709811)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 麻痺の重症度の評価 / 治療効果の評価 / 深層学習による動画解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中モデルの作成では、①体性運動皮質、②線条体、③内包に対して、①電気メスで焼却、②自家血の脳内投与、③エンドセリンの脳内投与(脳梗塞)、④コラゲナーゼの脳内投与(脳出血)を試した。運動皮質の処置では、損傷領域の広狭に関わらず思う様な重度な麻痺が現れず、あるいは運動麻痺が見られても短期間で回復してしまい、6ヵ月を超える長期的な麻痺を観察出来ず、結局、内包へのコラゲナーゼ投与、あるいは皮質破壊との組合わせで長期に残る重度な運動麻痺を再現性高く惹起出来ることが分かった。 ラットの麻痺評価には、よく使用される神経脱落スコア(NDS)を使用したが、これは麻痺の評価法として優れているが定性的な評価であり、治療効果としてラットの運動機能の微妙な変化を評価するには適していないと考え、ラットの行動を定量的に解析する為に、動画解析システム(deeplabcut)の立ち上げを行った。これは動物にマーカーを装着せずとも、撮影した動画で追跡したい体部位をマークしてそれを深層学習する事で任意の部位のモーションキャプチャ・データを得ることができ、歩行姿勢の経時的な評価など、動作中の数千フレームに渡る膨大な画像データを簡便に定量評価出来る点で優れている。 その後、角形オープンフィールドを作成して、脳出血の作成前~後数ヵ月に渡りラットの行動を経時的に撮影して上記方法で解析した結果、脳出血で変化し、経時的に回復する複数のパラメーターを発見した。これらはラットの脳出血の重症度や治療効果の評価に使用できると考えられる。 現在、半年以上飼育した脳卒中モデルラットに対してtDCSおよびSSRIを使用した治療を試みており、上記方法で効果を判定する。その後、覚醒下で運動皮質の神経細胞活動記録と同時に行動を観察する事で麻痺回復に伴う皮質の変化のメカニズムに迫りたいと考えている。データを収集後、積極的に発信していきたい。
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