2017 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research on outreach approach in social work practice
Project/Area Number |
15K17221
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
鵜浦 直子 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 講師 (10527774)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ソーシャルワーク / アウトリーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目は、コミュニティソーシャルワーカー10名を対象にしたインタビュー調査を中心に研究を進めた。その結果、インタビュー調査対象者のコミュニティソーシャルワーカーは、住民の福祉活動を支援する機能も有しているため、その機能を活かした発見をおこなっていることがわかった。本人からのSOSの発信は難しく、周囲の気づきから援助が始まることが多い。そのため、周囲の人たちがコミュニティソーシャルワーカーのような専門機関とつながる機会をどう増やしていくのかが鍵となり、日常的な住民の福祉活動を支援するなかで、コミュニティソーシャルワーカーはその機会を作る工夫をしていることがわかった。 またこの研究の一つの主題である、アウトリーチ型実践の類型化については整理することは難しかった。ただ、民生委員や町会などの人たちが相談の発見に大きな役割を果たしていることは間違いがなく、こことのパイプをどのように強化していくのかがアウトリーチ型実践においては必須であることが確認された。また、住民の中でさまざまな情報を抱え込んでいることもあり、その情報をどのように出してもらうかかが課題であることもわかった。ただここにおいては、個人情報の問題も大きく関与し、注意と配慮が必要となる。 類型化を目指して研究を進めてきたが、かえってカテゴリー化が潜在化する事例を増やす危険があることもわかった。たとえば、「高齢者」という枠に入る対象者は対応しやすいが、その枠に入らない場合には、どのように関わればいいかわからないことになることもある。類型化の枠を外して、一人ひとりが生活者として、生まれてから亡くなるときまで、社会でサポートできるような基盤をどうつくるのか、そのなかでその時々の生活の課題を解決するソーシャルワーカーがどのようにサポートするのかという仕組みの構築が不可欠であることがわかった。
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