2018 Fiscal Year Annual Research Report
Gender-specific effects of attending college: Comparing ex-ante return with ex-post return
Project/Area Number |
15K17388
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
日下田 岳史 大正大学, その他部局等, 専任講師 (30734454)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高校生 / 進路選択 / 母子調査、追跡調査 / パネルデータ / 高校生等奨学給付金 / 進学希望の断念 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年3月、高校3年生とその母親を対象とする質問紙調査を実施した。この調査は、高校1年生とその母親を対象に2016年3月に実施した質問紙調査の追跡調査として位置付けられるもので、同一個人の回答の変化を明らかにできるよう設計されている。本研究の最終年度となる2018年度は、上述の質問紙調査の回収を終えて、データセット(パネルデータ)を完成させた。こうして得たパネルデータに基づいて昨年度の研究から得た知見を精査することが、本研究の最終年度となる2018年度の主な課題である。2018年度の研究を通じて得られた主な知見は以下の通りである。 (1)2年前に回答した希望進路が高校卒業時に実現しなかった人(進学を希望していたが就職した人、大学進学を希望していたが短大や専門学校に進学した人)は6.5%(n=33)、2年前に希望していたよりもさらに進学することになった人(就職を希望していたが進学した人、短大や専門学校への進学を希望していたが大学に進学または浪人した人)は3.1%(n=16)を占めていた。 (2)高校3年生が選択した卒業後の進路は、2年前に回答した希望進路と概ね一致していたと判断できる。高校1年生の3月時点における希望進路の規定要因は概ね、高校卒業後の進路の規定要因に重なると考えられる。このことから、昨年度の研究から得た知見の適切性が示唆される。 (3)上の(1)から派生した問いとして、進路希望が実現しづらい人は誰かというテーマを取り上げ、計量分析を試みた。その結果、①高校1年次に返済不要の奨学金を受けていた人や、②高校3年次に高校生等奨学給付金を受けていた人ほど、希望進路が統計的に有意に実現しづらいことが分かった。大学等進学を希望する低所得層への切れ目ない支援が不足している様子が示唆される。ただしサンプルの大きさに難があり、(3)の知見は繰り返し検証されるべきである。
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Research Products
(1 results)