2016 Fiscal Year Annual Research Report
Global Hydrological Cycle in an Atmospheric General Circulation Model with Anthropogenic Modules
Project/Area Number |
15K18118
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 朋人 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (10554959)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 準季節予報 / 地球水環境 / 灌漑 / 地下水 / 予測可能性 / 全球気候モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
農業・商業・工業等の水需給バランスを含めた陸面過程モデルと大気過程との水熱相互作用を考慮可能とした(全球水循環モデルと呼ぶ)。その上で、水需給バランスが大気陸面相互作用に与える影響を議論した。特に、既存の研究において特に大気陸面相互作用の重要性が示唆されてきた北米中央部、中国北東部、インド・パキスタン地域に着目し検討を行なった。また、上記の全球水循環モデルを用いた水文気象場の準季節スケールの予測可能性に関する分析を行なったところ、水需給バランスの考慮が地表付近の準季節予測を行う上で重要であるとの結果が得られた。 上記の検討に加え、2010年の夏季に同時に発生したロシア西部での熱波とパキスタン及びインド北西部での豪雨事例に関する分析を行なった。おな、両地域とも過去の研究で大気陸面相互作用が降水活動に影響を及ぼしやすいと指摘されている。これまで、これら2つの極端現象はロシア西部で発生したブロッキング現象に起因するものであることが判明している。本研究では、過去36年間のデータを分析し、ブロッキングに起因するロシア熱波とパキスタン豪雨を抽出したところ、2010年と同様に2つの極端現象が同時に発生していた事例が過去に複数回存在していることがわかり、本検討の成果は今後の極端現象の予測精度の向上に寄与するものであると考える。 さらには、ブロッキング現象の発生要因ならびにブロッキングの流体力学的な特徴を議論可能とするためのアナロジーを提案した。
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Research Products
(15 results)