2015 Fiscal Year Research-status Report
自発的に無機材料とハイブリッド化する微生物細胞の創製と微生物燃料電池への応用
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15K18273
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中島 一紀 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50540358)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生物環境プロセス / バイオミネラリゼーション |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)シリカテインの発現検討および酵素機能解析 大腸菌を宿主として,シリカテインの発現について検討した。pET系ベクターを用い,37℃で発現誘導を行った場合にはシリカテインの発現がほとんど見られなかった。一方,pColdベクターを用い,15℃で発現誘導を行うことによりシリカテインの過剰発現に成功した。また,pColdベクターを用いた場合でもシリカテインは凝集体(インクルージョンボディ)となったため,活性体とするためにはリフォールディング操作が必要であることが示唆された。種々のリフォールディング条件を検討した結果,アルギニンとグルタチオンを用いることにより,凝集したシリカテインの可溶化と活性化に成功した。さらに,リフォールディングを必要としない発現系の構築を目的として,シリカテインと低分子タンパク質のフュージョンを検討した。その結果,Myxococcus xanthus 由来Protein SのN末端ドメインからなるProS2,あるいはBacillus subtilis由来の膜タンパクであるMisticを融合することで可溶化発現が促進され,また得られたシリカテインの比活性も高くなることが明らかとなった。 (2)シリカテインの細胞表層提示法の確立 Pseudomonas syringae由来氷核タンパク質のN末端部位(InaK-N)を足場(膜結合アンカー)とした大腸菌の表層提示法について検討を行った。pETベクターを用いることで大腸菌BL21(DE3)株で効率的にInaK-Nを発現できることをSDS-PAGEにより確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H27年度はシリカテインの発現について検討し,大腸菌での発現とリフォールディング,およびタンパク質融合による可溶化発現に成功した。また,大腸菌での表層提示法の基盤を確立した。以上より,おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,可溶化発現したシリカテインの細胞表層提示について検討する。また,シリカテインの触媒作用により作製したシリカの材料評価を行う。さらに,微生物燃料電池への応用に向けた細胞固定化およびバイオ電極作製等について検討を行う。
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Causes of Carryover |
当初購入予定の試薬を割引価格で購入したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額分はH28年度に試薬購入代として使用する予定である。
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Research Products
(5 results)