2015 Fiscal Year Research-status Report
オートファジーは黒毛和種の産肉成績に影響を与えるのか?
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15K18772
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
仲西 友紀 宮崎大学, 農学部, 准教授 (20717889)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オートファジー / 黒毛和種 |
Outline of Annual Research Achievements |
オートファジーは細胞内タンパク質のバルク分解機構である。近年の研究で、骨格筋の成長や機能にオートファジーが深く関与することが明らかとなっているが、一方で、これらの知見を食肉生産に応用させた研究例は少ない。そこで本研究では、肉用牛の産肉成績に与えるオートファジーの影響を調査することを目的とした。 黒毛和種6頭を試験に供し、バイオプシーによって胸最長筋、中殿筋および半膜様筋から骨格筋サンプルを採取した。出荷までに肥育段階に応じて計4回のバイオプシーを実施予定であるが、本年度はそのうち3回を実施した。採取した骨格筋からtotal RNAを抽出し、定量的PCR法でオートファジー関連遺伝子(LC3, ATG7, GABARAPおよび Beclin-1)の発現量を調査した。また、筋肉の分化・成長に関与する遺伝子(MyoDおよび Myostatin)についても同様の調査を行った。 オートファジー関連遺伝子は、肥育段階に従って発現量が変動することが明らかになった。また、骨格筋部位による遺伝子発現量の差も確認された。各遺伝子の発現について相関関係を調べたところ、オートファジー関連遺伝子間だけでなく、オートファジー関連遺伝子とMyoDの間にも正の相関関係が認められた。また、Myostatin発現量が体重と負の相関を示す一方で、オートファジー関連遺伝子やMyoDの発現量は体重と正の相関を示すことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肥育段階や骨格筋部位によってオートファジー関連遺伝子の発現量が異なること、また黒毛和種の体重や筋肉の分化・成長に関与する遺伝子の発現量とオートファジー関連遺伝子の発現量に相関関係が認められることが明らかとなっており、当初計画通りに研究が進んでいるものと評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続き当初計画に従って研究を進める。具体的には、供試牛の出荷までに1回のバイオプシーを実施し、H27年度と同様の解析を実施する。また供試牛を出荷後に、肉質に関する評価を実施することで、肥育期間中のオートファジーが黒毛和種の産肉成績に与える影響をより明確にする予定である。
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