2017 Fiscal Year Annual Research Report
Novel therapeutic approaches for renal failure via modulation of the gut microbiota
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15K19163
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
福森 史郎 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 特命助教 (10714842)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腎不全 / 腸内細菌叢 / 尿毒症毒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
インドキシル硫酸(IS)等の尿毒症毒素は、腎機能の低下により体内に蓄積し、腎臓のみならず心臓などの他臓器の細胞も障害する。そのため、腎不全患者において体内の尿毒症毒素を減らすことが重大な課題である。そこで本研究では、腎不全と腸内細菌叢の関連に着目し、慢性腎不全モデルマウスを用いて、プロバイオティクスおよびプレバイオティクスが腎不全進行の抑制および合併症の予防が可能か否かを検証した。 本年度は、アデニン誘発腎不全マウスにプロバイオティクスであるLactobacillus casei (L. casei)、プレバイオティクスであるガラクトオリゴ糖 (GOS) およびベルベリンを投与し、腎機能およびIS濃度に及ぼす影響を評価した。加えて、ISの前駆体であるインドールの生成に関与するトリプトファナーゼの活性を評価するため、アデニン誘発腎不全モデルマウスにおいて、L. casei+GOS投与群と非投与群のトリプトファナーゼ活性を比較した。 アデニン誘発腎不全マウスにL. casei+GOSおよびベルベリン+GOSを投与した結果、非投与群と比較してBUNおよび血漿中ISの濃度変化に有意差は認められなかった。一方、L. casei+GOS+ベルベリン投与群の血漿中IS濃度変化は非投与群と有意な群間差があり、IS濃度を低下させる効果があった。一方、トリプトファナーゼ活性を評価した結果、非投与群とL. casei+GOS投与群に有意な差は認められなかった。 以上のことから、これらの薬剤の併用は、腎機能に影響を及ぼさなかったが、血中の尿毒症毒素を減少させる可能性がある。今後、糞便中における細菌のmRNAを測定し腸内細菌叢の組成変化を評価することで腸内細菌叢との関係を解明し、腎不全に対する新たな治療法として開発を進めていきたいと考えている。
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