2018 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical significance and pathology of narcolepsy comorbid with REM sleep behavior disorder
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15K19499
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
咲間 妙子 (笹井妙子) 帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (70419026)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ナルコレプシー / 急速眼球運動 / 夢内容 / αシヌクレイノパチー / 嗅覚機能 / パレイドリア / REM sleep without atonia |
Outline of Annual Research Achievements |
レム睡眠行動障害(RBD)症状を有するナルコレプシー患者において,αシヌクレイノパチーに関連した生理・神経心理検査を実施した.検査実施協力の得られた同患者18名のうち11名がレム睡眠行動障害スクリーニング質問紙においてカットオフ値以上であり,8名(44%)において,錯視誘発検査であるパレイドリアテストにおいて錯視の出現がみられ,この割合は,特発性RBD患者における52%と近しい値であった.しかしながら,このナルコレプシー群においては,軽度の認知機能低下を示す者が5名(27.8%),嗅覚機能低下を示すものは1名のみ,レム睡眠中の筋活動の上昇が顕著である者はおらず,ナルコレプシーに合併したRBDは,特発性RBDとはその特性を異にすることが明らかになった.夢見内容についての検討においても,実体験に基づいた事柄や,実在する人物・動物が出現しやすい特発性レム睡眠行動障害に比して,非現実的な内容や,架空の人物などが出現することが多く,両者の病態・臨床症状・神経変性水準は全く異なっていた. また,我々は臨床RBD例のみならず一般RBD例にも着目して夢内容や夢見と関連する客観指標の一つである急速眼球運動を詳細に調べたところ,心的外傷や薬剤使用によってRBD症状を有する者が多く存在すること,また,一般RBD例においても急速眼球運動密度が健常者に比して高いことが明らかになった.しかしながら,レム睡眠中の筋活動上昇はRBDの診断基準に満たずナルコレプシーにおける筋活動上昇レベルと同程度の者も多く存在した.このことから,特発性RBDとナルコレプシー合併型RBDは性質を異にし,将来のαシヌクレイノパチー発展リスクも異なることが明らかになった.
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Research Products
(7 results)