2015 Fiscal Year Research-status Report
脂質分子の炎症収束効果を基盤とした関節リウマチ新規薬剤の開発
Project/Area Number |
15K19574
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 孝作 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70599927)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | SPM / BLT1 / FPR2 / CMKLR1 / LC-MS/MS |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の研究計画として、健常人またはRA患者における末梢血液中の白血球を用いてフローサイトメトリーによって、SPMに対する各受容体(BLT1、FPR2、CMKLR1)の発現量を細胞分画ごとに測定した。健常人5名、RA患者11名を測定し、健常人とRA患者で各受容体の発現細胞や細胞分画毎の発現量に概ね有意な差を認めていなかったが、RA患者の一部分画において、疾患活動性と正の相関を示す受容体発現量の増加が認められた。更に、受容体発現と細胞分画の性質にも関連性を示す結果が一部認められており、平成28年度に解析の継続を行なうこととした。また、RA患者のリピドミクス解析を平成27年度に行なう予定であったが、患者検体の獲得に期間を要した。RA患者の血漿20サンプルを獲得し、ライデン大学メディカルセンターに送付済みである。高速液体クロマトグラフ・タンデム質量分析法による血漿の脂質分析はを平成28年4月に施行される予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト末梢血単核球の細胞分析を行なう際、健常人、RA患者とも20名程度の検討を行なう予定であったが、解析の準備に期間を要したため目標症例に達することができなかった。また、末梢血血漿のLC-MS/MS解析も、対象患者の獲得が困難であったため、早期の解析を行なうことが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
フローサイトメトリーによる末梢血単核球の検討、あるいはリピドミクス解析について継続して検討を行なう。また、プラスミドベクターを用いたTHP-1の受容体強制発現についての検討を平成28年度に予定していたが、THP-1への遺伝子導入が困難であったことと、実験モデル動物を用いて機能解析を行なうほうが多くの検討ができると考え、マウスのSPM受容体遺伝子を各種細胞に導入する実験に変更することを検討している。具体的には、関節炎モデルマウスに対して、SPM受容体遺伝子(BLT1, FPR2, CMKLR1)を強制発現した細胞を養子移入させて、SPMの効果が増強することを検証する予定である。
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