2016 Fiscal Year Research-status Report
fNIRSを用いたADHD治療薬無効例の病態メカニズムの解明
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15K19627
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
長嶋 雅子 自治医科大学, 医学部, 助教 (70438662)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | fNIRS / ADHD / 塩酸メチルフェニデート徐放剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
注意欠如・多動障害(ADHD)は、不注意、多動性、衝動性の中核症状により、家庭や学校において問題行動を引き起こし、度々の叱咤、いじめなどの困難な生育環境にさらされ、二次障害として行為障害、抑うつなどを合併する。二次障害を防ぐためにも、早期診断・早期治療が必要である。ADHD治療薬である塩酸メチルフェニデート徐放剤(MPH)は30%のADHD児に効果がないことが分かっている。しかし、行動観察で評価している現在は1か月以上内服しないと効果が判定できず、無効例の病態メカニズムは不明である。本研究では、脳機能イメージングを使用して、ADHD児の診断とADHD治療薬の有効・無効例を短期的に判別する事、MPHの有効例と無効例の病態メカニズムの差異を明らかにする事を目的としている。2016年度は、ADHD治療薬内服の既往がないADHD児を対象に、MPH内服前後の抑制機能課題中の機能的近赤外線分光法(functional near-infrared spectroscopy; fNIRS)計測による脳活性の変化量とMPH内服初回、1か月後、6か月後の質問紙による行動の変化率について計測を行った。MPH初回内服時の脳活性の変化量とMPH初回内服から内服1か月後の行動の変化率の関連性は、現時点で中程度の負の相関が見られている。2017年度中に、MPH初回内服時の脳活性の変化量とMPH内服6か月後の行動変化率との関連性、およびfNIRS計測でのMPH有効例と無効例の脳機能変化の違いを検証し、学会発表および査読付き学術誌への投稿を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MPH初回内服前後の抑制機能課題中のfNIRS計測による脳活性の変化量と質問紙評価は70例ほど、内服1か月後の評価については45例ほど、6か月後の評価については15例ほど計測が終了している。リクルートもさらに進んでおり、6か月後の評価例も増加するため、解析および検証が可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はMPH初回内服から6か月後までの縦断研究である。2017年7月までリクルートを行い、対象者を増加する。現時点までの計測結果を基に、①fNIRS計測による脳活性の変化量と行動の変化率の関連性について、②有効例と無効例のfNIRS計測での脳機能変化の差異について、適宜解析、学会発表を行う。対象者すべてが内服6か月後を迎える2018年1月から最終的な解析を行い、本研究に関する検証結果を査読付き学術誌へ投稿し、周知を目指している。
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Causes of Carryover |
次年度は計測人数、解析量がさらに増加するため、協力研究者を引き続き確保する予定である。また、研究成果発表、論文投稿掲載の機会が増加する。これらのことから、次年度への繰り越しが必要と判断した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
fNIRS関連機材(光プローブ、ホルダー等)の修理、大容量データのバックアップのための記録メディア、質問紙などの購入を予定 している。fNIRS計測と質問紙評価の解析に多くの時間を要することが予測されるため、今年も協力研究者を確保し、その人件費を予定している 。研究成果の発表のため、国内外の学会参加や論文作成を行うにあたり、出張旅費や論文の英文校正、論文投稿掲載にも使用予定である。
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Research Products
(3 results)