2015 Fiscal Year Research-status Report
D-DTおよびMIFを標的とした新規メラノーマ治療法の開発
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15K19681
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
吉久 陽子 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 特命助教 (70623578)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | D-DT / MIF / メラノーマ |
Outline of Annual Research Achievements |
メラノーマは色素細胞由来の悪性腫瘍で最も予後の悪い腫瘍である.炎症性サイトカインであるマクロファージ遊走阻止因子(Macrophage migration inhibitory factor:MIF)は多彩な生物学的作用を有するサイトカインの一つであり,メラノーマの増殖にも関与する.最近,一次構造と三次構造がMIFと非常に類似するD-dopachrome tautomerase(D-DT)が同定された.しかし,その生物学的機能や生理学的意義,MIFとの機能的区別はまだ解明されていない.本研究では,メラノーマの増殖や浸潤,転移におけるD-DTとMIFの機能解明を目的として検討した.まず,D-DTを全身に高発現するトランスジェニック(D-DT Tg)マウスを作製し,系統化した.具体的にはマウスD-DT全長cDNAを合成して発現ベクターに挿入し,プラスミドからトランスジーン精製および野生型(C57BL/6,WT)マウスへの受精卵前核インジェクション操作後,仮親へ移植して産子を得て,産子内で組換え体の有無を確認した.得られた子マウスの離乳後,尻尾よりDNAを抽出し,PCR法を用いて遺伝子導入の検定を行った.これにより,得られたD-DT Tgマウス(F0)とWTマウスを交配して生まれたマウスのうち導入遺伝子が確認できたものをF1 D-DT Tgマウスとし,後の実験系に使用した.現在,D-DT Tgマウス,MIF TgおよびWild type(WT)マウスの皮下にマウスメラノーマ細胞を移植し,これらのサイトカインがメラノーマ細胞の増殖や皮下への浸潤,さらに遠隔転移にどのように作用しているか検討している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は計画通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に加え,今年の成果も含めた包括的な内容の研究発表を予定する.さらに,得られる研究成果はすべて論文としてまとめ,国内外の各種関連雑誌において発表・配信することを目指す.
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Causes of Carryover |
物品納入が年度区切りで間に合わないため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
進捗状況に影響はない.
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Research Products
(7 results)