2016 Fiscal Year Annual Research Report
Association study of the polymorphic region and methylation in the serotonin transporter gene promoter in the clinical response to drug treatment in obsessive-compulsive disorder
Project/Area Number |
15K19734
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
梅原 英裕 徳島大学, 病院, 特任助教 (90645798)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 強迫性障害 / Serotonin transporter / 治療反応性 / 遺伝子発現 / DNAメチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
Serotonin transporter (5-HTT) 遺伝子に注目し、強迫性障害(OCD)の発症リスクおよびSSRI治療反応性に違いが生じる生物学的背景の探索を行った。OCD61名および健常対象者61名の末梢血より抽出したゲノミックDNAとtotal RNAを用いて、Serotonin-transporter-linked polymorphic region (5-HTTLPR)の機能性多型(La, Lg, S)の同定および5-HTT遺伝子のm-RNA発現とDNAメチル化修飾の測定を行った。5-HTT遺伝子のm-RNA発現の測定にはApplied Biosystems 社製のABI 7500 RealTime PCRを、5-HTTのDNAメチル化修飾の測定はQiagen社製のPyroMarkQ24を用いて行った。 我々のサンプルにおいて5-HTTLPRの多型とOCDの発症リスクとの関連は認めず、先行研究を合わせたメタ解析の結果でも、有意な関連は認めなかった。一方、5-HTTのm-RNA発現はOCDは健常対象者に比べて有意に亢進していた。DNAのメチル化修飾は、健常対照に比べてOCDにおいて、13CpGサイト中6サイトで有意な低メチル化を認めた。6サイト中2サイトはm-RNA発現と有意な負の相関を示した。また、13CpGサイト中1サイトはOCDで有意な高メチル化を認めた。OCDの薬物反応性の違いと、5HTTLPR、5HTT遺伝子のm-RNA発現およびDNAメチル化修飾レベルとの間に有意な関連は認めなかった。本研究の結果、OCDの薬物治療反応性に5-HTTの遺伝子多型やm-RNA発現やDNAメチル化修飾が関与していることを示すことはできなかったが、強迫性障害患者と健常者の間には5-HTTのm-RNA発現やDNAメチル化修飾に違いがあることを示した。
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Research Products
(1 results)