2015 Fiscal Year Research-status Report
GEP100-Arf6-AMAP1経路を介した新規尿路上皮間葉転換制御機構の解明
Project/Area Number |
15K20111
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大門 達明 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40573275)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 上皮間葉転換 / 腎盂尿管癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)in vitroでのGEP100-Arf6-AMAP1シグナル経路の機能解析 尿路上皮癌細胞株であるT24、UMUC-3、5637においてEGFによるEGFRのチロシン残基(Tyr1068/Tyr1086)のリン酸化を認めた。GEP100、Arf6、AMAP1の発現の上昇は今回の検討では明らかには認めなかった。TGF-βは上皮間葉転換を誘導する因子として知られており、TGF-β投与下において、vimentinやsnailといった間葉系マーカーの増強を認めた。また、特にUMUC-3細胞株においてGEP100、AMAP1といったシグナル経路に関する蛋白の発現の増加を認めた。EPB4.1L5に関してはEGF下での発現の増強は明らかにならなかったが、TGF-β下においてUMUC-3細胞株で発現の増強を認めた。 2)臨床検体を用いたEPB4.1L5の発現及び予後因子としての検討 腎盂尿管癌に対する手術検体のパラフィン切片のスライドを用い免疫組織染色を行った。また、臨床病理学的データを抽出し、データベースを作成した。EPB4.1L5の発現についてスコアリングを行い統計学的に検討を行った。手術検体、臨床病理学的データがそろった180例を対象としたところ、EPB4.1L5の高発現は高悪性度、病期が進行した症例が有意に多かった。また、無再発生存期間、並びに癌特異的生存期間に関してもEPB4.1L5の高発現症例は有意に短かった。すなわち、EPB4.1L5の高発現症例では腎盂尿管癌において予後の悪化を認めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
尿路上皮癌細胞株に対してEGF投与によるGEP100-Arf6-AMAP1シグナル経路の各蛋白発現は明らかな変化はみとめなったものの、TGF-βにより各蛋白の発現の増加を認め、各蛋白の発現の変化を確認できた。 臨床検体を用いた検討においては、データベースを作成し、180例の免疫細胞染色を行い、統計学的検討を行う段階まで進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
臨床検体を用いた免疫細胞染色に関しては、よりデータを詳しく集め、解析をさらに進めていく。in vitroの検討に関してはやや思ったように進んでいない点もあるので、状況によっては臨床検体を用いたEPB4.1L5の発現及び予後因子としての検討において完成度を高め、投稿を行う。 in vitroの研究に関しては平成28年度としての目的通り各種阻害剤を用いた検討を進めていく予定である。
|
Research Products
(2 results)