2017 Fiscal Year Annual Research Report
Genetic testing for HBOC-related gene mutation provides important risk information for ovarian cancer patients in Japan
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15K20148
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
阿部 彰子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (30748588)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | HBOC / BRCA / 卵巣癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、卵巣癌の個人のリスクに応じた早期発見など予防法の構築を目指すパイロット研究として、卵巣癌患者を対象にBRCA遺伝子を含むHBOC関連遺伝子群の生殖細胞系列での変異検出と臨床病理情報収集を行い、日本人卵巣癌での各遺伝子変異の頻度とその臨床的特徴を解明することである。さらに、血縁者を含め予防につながるリスク評価のための遺伝子検査結果のフィードバック法の開発を行うことを目的とした。 卵巣癌患者130名に研究の趣旨を説明し、同意が得られた125名の血清を採取した。生殖細胞系列での変異の有無は、自身の健康管理に有用な情報ではあるが、商業ベースでの検査費用は高額であるため、「実費負担があるのであれば、検査受けること・結果を聞くことは難しい」の意見が77%を占めた。さらに「費用負担があってもなくても知る必要がない」との意見が17%に覧られた。 現在、109例の卵巣癌患者のBRCA1/2を含む11遺伝子の全エクソンの生殖細胞系列遺伝子変異について次世代シークエンサを用いて解析を行った。HBOC関連遺伝子群の生殖細胞系列での変異を有する症例を18例に認めた。現在、対象症例に対して、乳腺科と連携し、サーベイランスを開始したところである。また、血縁者を含めたリスク評価を解析中であるが、乳癌以外の特定の種類のがん罹患家族歴を持つ患者が一般集団よりかなり高頻度であることが判明した。このため、今後卵巣癌のリスクとなり得るBRCA以外の遺伝子群についての追加解析を行う予定である。
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