2015 Fiscal Year Annual Research Report
iPS細胞由来樹状細胞と光線力学を組み合わせた難治性小児がん治療の研究
Project/Area Number |
15K20303
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
劉 馳 (国)国立成育医療研究センター, 移植免疫研究室, (非)研究員 (30747209)
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Project Period (FY) |
2015
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Keywords | 樹状細胞 / 光線力学的治療 / 小児固形腫瘍 / 免疫治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性進行小児固形腫瘍の治療は、現行の標準治療(手術療法・化学療法・放射線療法)では治療成績が頭打ちであり、新たな治療が必要とされている。本研究では、樹状細胞を用いた免疫細胞治療に、5-アミノレブリン酸を用いた光線力学的治療(photodynamic therapy : PDT)を組み合わせる治療法の有効性と相乗効果の検証を目的とする。また、治療に用いる樹状細胞の入手性を改善するため、iPS細胞から樹状細胞を分化誘導し(iPS-DC)、その有効性を検証する。 マウスiPS細胞からのDC分化誘導法確立にて得られた知見を元に、ヒトiPS細胞からのDC分化誘導を行った。分化誘導の第一段階では、フィーダー細胞であるOP9細胞上での培養を用い、第二段階では、更にGM-CSFを添加した、第三段階では、OP9細胞を用いず、GM-CSFとIL-4による培養を行った。各ステップで必要となるサイトカイン類や培地などを検討し、ヒトiPS細胞からのDC分化誘導に適切な方法の開発を行った。その結果、マウスiPS-DCに比して分化誘導の効率は低いながら、ヒトiPS-DCの分化誘導系の確立に成功した。 一方、小児がんに対する、DCとALA-PDTの併用による治療の有効性を検証するモデルとして、小児神経芽腫に対するALA-PDTのin vitroにおける検討を行った。NB-1, NB-9, IMR32, GOTOの小児神経芽腫を用いて検討を行ったところ、何れの細胞株においても、ALA濃度依存的なPpIXの細胞内蓄積および細胞傷害性が確認された。NB-1を免疫不全マウスであるNSGマウスの皮下に投与し、ヒト癌細胞移植モデルの作製を行った結果、投与後2週間にて腫瘍の形成が認められた。
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