2015 Fiscal Year Research-status Report
HGFの血管新生効果の研究-微小循環を可視化したチャンバー法を用いて確かめる
Project/Area Number |
15K20313
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安倍 吉郎 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 講師 (40467808)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肝細胞増殖因子(HGF) / Rabbit Ear Chamber(REC) / 血管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
Hepatocyte Growth Factor(以下HGF)の微小血管に対する影響を調べるために、日本白色家兎の耳介に作製した潰瘍に微小血管観察用のRabbit Ear Chamber(以下REC)を装着し、本モデルを使用した予備実験を行った。REC作成日にHGFを耳介基部の筋肉内に1㎎/bodyの容量で投与した。その結果、通常REC内に観察可能な細小動静脈はREC作製後3週目以降に血管が形成されるのに対し、HGF投与群ではREC作製後2週目に4例中3例で新生血管を認めた(1例は感染しており、観察不可能だった)。1視野中に新生血管が占めている面積占有率を画像解析ソフトのimage Jを用いて計測したところ、HGF群は2週目で平均70%、3週目で平均90%であり、非投与群は2週目で平均14%、3週目で平均70%と、HGF投与群と非投与群の間で明らかな差を認めた。これらの結果から、HGFの血管新生促進効果を裏付ける重要な知見が得られた。 今後は、HGFのコントロールプラスミドを培養作製してコントロールのデータを収集することを予定している。さらに、投与群におけるHGF蛋白の発現を確認するためにWestern blot法を用いた解析を行うことと、血管新生部分の組織を採取して血管形成を組織学的および免疫組織学的に検討を行う予定である。さらにはこれらの一連の項目について、血管内皮障害モデルである糖尿病家兎においても検討を行い、HGFの効果を検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RECの作製には熟練を要するため、手技が安定するまでに時間を要した。また、コントロールプラスミドの培養にも時間がかかることからコントロール群の検証までに至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
REC作製の手技が安定してきており今後は予定通りに進むと思われるが、REC作製から血管が観察可能になるまでに2~3週間の時間がかかるために、RECモデルがうまくできないと遅れる可能性がある。そのため、一度に多くのモデルを作製して観察可能なモデル数を増やす必要がある。
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Causes of Carryover |
当初今年度予算に血流速度を計測するためのハイスピードカメラの購入費を計上していたが、実験の進行が若干遅れているため、今年度はカメラの使用に至らなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度はカメラを購入する予定である。
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