2016 Fiscal Year Research-status Report
HGFの血管新生効果の研究-微小循環を可視化したチャンバー法を用いて確かめる
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15K20313
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安倍 吉郎 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 准教授 (40467808)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肝細胞増殖因子(HGF) / Rabbit Ear Chamber(REC) / 血管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
Hepatocyte Growth Factor(以下HGF)の微小血管に対する影響を調べるために、日本白色家兎の耳介に作製した潰瘍に微小血管観察用のRabbit Ear Chamber(以下REC)を装着し、耳介基部の筋肉内にHGFを投与する実験を行った。 昨年の予備実験の結果から、REC装着時に1mg/bodyの容量でHGFを投与した場合に、HGF非投与群と比較して有意に多数の血管新生を認めていたため、引き続きHGFの投与量と投与時期および投与部位にについて検討を行った。 投与量について、1mg/bodyに加えて2mg/bodyおよび4mg/bodyの投与を行ったが、血管新生の割合については、1mg/bodyと比較して2mg/bodyおよび4mg/bodyでは有意差を認めなかった。しかし、個体差が大きかったことから、今後も引き続き検討する予定である。 投与時期については、REC装着1日前に投与した個体とREC装着時に投与した個体を比較して、有意差を認めないものの、 REC装着1日前に投与した個体の方が、成熟した太さを有する血管の新生が多く観察される傾向を認めた。また、REC装着1日前に投与した方が、REC内の感染による血管新生阻害も少ない傾向を認めた。 投与部位については、HGFを耳介基部筋肉内に投与するものとREC周囲に投与するものを比較したところ、概ね耳介基部の方が血管新生を多く認めた。しかし、REC周囲のどこにHGFを投与するかによって、血管新生の量に個体差が大きかったことから、今後も検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
HGFの投与量と投与部位に関して、それぞれ異なる量と部位で投与した場合の血管新生量について、ある程度の傾向は確認できたが、個体差が大きかったことから今後も検討する予定である。 また、HGFのコントロールプラスミドを作製する予定であったが、プラスミド作製者の時間的な制約があったため、まだ十分な量を確保できていない。 以上の点から遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
投与量と投与部位に関しては、今後も引き続き個体数を増やして検討する方針である。 さらに、投与部位については、耳介基部の筋肉内に確実にHGFを投与するため、耳介基部の皮膚に小切開を加えて筋肉を剖出した後、HGFを直視下に筋肉内に投与する方法も検討する。 コントロールプラスミドの作製については、作製者の時間を取れるように他の仕事量を調整してもらう予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画が当初見込みよりも遅れが生じているため、本来使用すべき金額が使用できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
補助事業期間を延長し、当初予定されている研究を完遂する予定である。
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