2020 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical study of occlusal forces and occlusal sensitivity on oral implants
Project/Area Number |
15K20428
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小椋 麗子 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (50632014)
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Project Period (FY) |
2017-02-07 – 2021-03-31
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Keywords | 咬合力 / 咬合感覚 / インプラント |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの当教室での研究から,咬合面上の荷重部位により歯の変位の大きさや方向が異なることが報告されているが,これらと歯根の形態等を考慮すると,歯の荷重負担能力というのは,咬合面上の荷重部位により異なる可能性がある. この仮説が正しければ,咬合面上において高い荷重負担能力を有する位置に咬合力が負荷される咬合面形態を設計すべきである.一方で,もし患者が咬みにくさを訴えれば,それはその咬合状態が顎口腔系に調和しているとは言えない.すなわち,患者側が,“咬みやすい”と感じるような位置に咬合接触を付与することも重要である. 近年欠損部補綴にインプラントを用いた治療を行う技術が目覚ましく向上し,インプラント補綴を行った患者が急速に増加している.インプラントは,天然歯と異なり歯根膜を有しないため,機能時の変位様相も天然歯とは異なることが報告されている.さらに,特に下顎臼歯部のインプラントでは,上部構造の咬合接触状態により,その対合歯の変位様相に大きな影響を与えることも報告されており,インプラント上部構造に与える咬合接触が,インプラント自体だけでなく,対合歯の予後にも関係すると考えられる.そのため,歯周組織と調和させることができる咬合力の大きさや方向について検討されてはいるものの,結論は未だ出ていないのが現状である.また,歯根膜を有しないことから,インプラントにおける触圧覚が天然歯と比較して鈍麻であることも既に報告されており,天然歯と は咬合感覚が異なることも予想された. 先行研究では天然歯の場合には咬合面内の部位により荷重負担能力と咬合感覚が異なり,それぞれに相関関係も認められたのだが,今回の研究ではインプラントの上部構造において,咬合面のどの荷重部位においても荷重負担能力が認められ,咬合感覚は天然歯と比較して鈍麻である可能性が示唆された.日本補綴歯科学会にてこれまでの研究成果の発表を行った.
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