2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K20616
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉田 明日香 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (30749487)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯周病 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病とは、中・高齢者において特に罹患率の高い感染性の疾患であり、歯肉の炎症、歯周支持組織の破壊や歯の喪失を特徴とする慢性の炎症性疾患である。一方、心肥大とは、循環器疾患である心疾患に該当する病気であり、高血圧や動脈虚血により導かれる圧負荷状態を補償するための適応反応であるが、心肥大が高度に進行すると心機能の低下をきたし、死にいたることもあるという、恐ろしい病気である。近年、歯周病が循環器疾患のリスクとなる可能性があることや、菌血症の原因となることが報告されている。我々は以前、動物モデルを用いた基礎実験から、特定の歯周病原細菌感染が心肥大を悪化させることを明らかにした。しかしながら、さらなるメカニズムの解明はできておらず、他の歯周病原細菌感染と心肥大の関連についても、明らかとはなっていない。以上のことから、本研究の目的は、実験的モデルマウスを用い、歯周病原細菌が心肥大に与える影響とその機序を検討することとした。我々が以前に検討した際に用いた種類以外の、歯周病を悪化させると言われている、主要な歯周病原細菌を用いて、歯周病原細菌感染が心肥大に与える影響を検討した結果、明らかになった事柄がある。また、歯周病原細菌感染が、心肥大に与える影響におけるメカニズムを解析するために用いた動物モデルにおける基礎実験から、明らかになった事柄がある。したがって、以上の事柄に関する論文を現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験的モデルマウスを用い、歯周病原細菌が心肥大に与える影響について明らかになったことに関して論文作成し、論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに我々は歯周病原細菌感染により心肥大が悪化することを報告している。今後の研究の推進方策としては、他の歯周病原細菌感染が心肥大に及ぼす影響および、TLRノックアウトマウスを用いてさらに詳細なメカニズムの解明を目指している。
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Causes of Carryover |
研究は概ね順調に遂行することができているが、一部計画通りに進んでいない実験があるためと考えられる。また、医局業務と重なり、学会参加することが厳しい状況が続いたことによると考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
他の歯周病原細菌感染が心肥大に及ぼす影響および、TLRノックアウトマウスを用いてさらに詳細なメカニズムの解明を目指す。予想と異なる結果が得られた場合は、歯周病原細菌感染に焦点を絞ってさらなるメカニズムを解明し、研究成果を論文にて報告する。
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Research Products
(3 results)