2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K20674
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
松田 優二 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 講師 (50635448)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 災害対策 / 防災 / 精神科病院 / 火災 / 地震 / 精神看護学 / 基礎看護学 / 看護管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大震災を経験した地域の精神科病院の看護管理職者(もしくは医療安全対策または防災対策の責任者)を対象に、精神科病院の災害(防災)の対応策、マニュアルについて調査し、災害が起きた際、患者の安全を守るために看護師は災害時にどのような対策を講じているか、また講じようとしているか、その現状を明らかにすることを目的とする。 2015年(平成27年)度は、次年度以降に行うインタビュー調査でどのような項目の聴取、質問が必要となるのか、それらの構成要素を明らかにするため、国内の精神科と他の診療科の病院における災害対策に関連する文献検討を行った。 調査を進めていく中で、最近の日本の現状から災害対策に関連する文献は、地震災害の内容が中心である傾向がみられた。しかし、調査より精神科病院は他の診療科よりも火災のリスクが高いことがわかり、災害対策の構成要素を検討する上で火災と地震、双方それぞれの視点でインタビューの構成要素を検討する必要があると考えた。このため文献検討を精神科病院における火災対策と地震対策の2種の災害に分け、それぞれの先行研究に関する研究動向を調査することとした。 精神科病院における火災対策に関する文献検討の結果、研究内容のカテゴリーとして「患者への防火教育・指導」「看護師への防火教育」「防火訓練方法の見直し、改善」「火災リスクの検証」「火災時に対応する職員間の役割認識の差異」「火災時対応に対するアクション(行動)の抽出」の6カテゴリーにまとめられた。また、東日本大震災以降、精神科病院においてアクションカードを用いた防災訓練に取り組む研究も進められていることが明らかになった。精神科病院における地震対策に関する文献検討については、現在データ分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
災害に関する文献検討について、火災、地震と2つに分けて具体的に調査する必要が出てきたため、当初予定していた研究活動時間よりも多く時間を費やしてしまった。また、調査に必要な文献の蓄積が少なく、データ分析に困難を要し文献検索キーワードを拡大して調査したため、時間を要した。これらの理由より計画がやや遅れていると自己評価する。しかし、研究計画に大幅な変更はない。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年(平成28年)度は、精神科病院における火災、地震対策に関する文献検討の調査結果について学会発表、論文投稿を行う予定である。すでに、火災対策に関する文献検討の調査結果は、2016年8月に開催される日本災害看護学会での発表に向けてエントリー中である。また、文献検討の調査結果から、インタビューガイドに必要な構成要素を検討し、震災を経験した地域の精神科病院の看護管理職者へ調査の説明と同意を得て、研究依頼を行い、本研究の調査を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
文献収集の絞り込みやデータ分析、論文化に時間を要したため、当初の予定よりもPC関連備品、関連書籍、雑誌、文献複写における購入の段取りが遅れた。また、大学業務のため、参加予定していた学会へ参加できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会参加における旅費、参加費および論文投稿における備品・消耗品費、また研究協力病院への依頼・相談・調査に関する旅費やプレゼンテーション用の備品費、調査後の謝金、調査データの分析に関連する経費が主である。また、昨年度より引き続き、文献検討を行うため関連図書、雑誌、文献複写費に使用する。
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