2017 Fiscal Year Research-status Report
うつ病患者における感謝プログラムの開発と有効性の検証
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15K20760
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鈴木 寛之 金沢大学, 保健学系, 研究協力員 (40586781)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | うつ病 / ポジティブ心理学 / 許し / 感謝 / 自己受容感 / 首尾一貫感覚 / 外傷後成長 / サイコシンセシス |
Outline of Annual Research Achievements |
外来通院中のうつ病患者に対する許しと感謝のエクササイズ(感謝プログラム)の有効性を検証するためは、対象者を無作為に介入群と待機群に分けて同時に観察し比較することで自然経過を考慮した上での介入効果を評価する無作為化比較試験を行う必要がある。 またパイロットスタディでは評価者が介入プログラムを実施したため、データをよりよく見せたいというバイアスが生じる可能性がある。そのバイアスを避けるために、調査期間中は評価者と対象者が接触しないことやデータが介入群か待機群のどちらのものかを判別できないようにする必要がある。そのために今年度は対象施設の看護師と作業療法士それぞれ1名がプログラムの実施方法を習得できるようにトレーニングを行った。 外来通院中のうつ病患者を選出するために、平成29年4月から5月に受診した患者のレセプト情報から「主病名:うつ病」で登録されている患者一人一人のカルテを確認し、実際の診断名を抽出したところ144名が該当した。また自殺念慮、認知機能障害、統合失調症、パーソナリティー障害等が併発している患者は除外したところ純粋なうつ病患者は40名に絞られた。 研究参加説明会に参加しやすいように平日と土曜日を含む計8回の日程を確保し、説明会の時間も外来診察が終わる12時~13時の間で設定した。9月初旬に郵送法で研究参加の呼びかけを行ったものの、実際参加した患者は外来作業療法にて直接声掛けをした1名のみであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究参加説明会に参加した人数が1名に過ぎず、調査を開始できなかったためである。その背景として、対象者は研究者と全く面識がない状態での勧誘であり、研究対象施設では郵送で研究参加案内を送ることが前例としてなかったことから警戒心を高めたことも要因の一つと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の理解を得ている主治医に研究参加の協力を仰ぎ、外来受診時に選定基準を満たす患者に主治医から直接研究参加のパンフレットを配布することで研究参加者の拡大を図っている。 それでも定員が確保できなかった場合は、研究対象施設ではない他医療機関やうつ病患者会等に協力を仰いでいきたい。
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Causes of Carryover |
研究参加対象者への謝礼として計上していた人件費等については、調査が開始できなかったため未使用額が生じた。 データ入力などの補助業務や研究参加対象者への謝礼としての人件費と成果報告の為に学会発表に参加するための旅費などを計上する。
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