2018 Fiscal Year Research-status Report
反すうに着目した抑うつ防止プログラムの開発-看護師が行う新しい認知行動療法-
Project/Area Number |
15K20793
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Research Institution | Kobe Tokiwa University |
Principal Investigator |
江口 実希 神戸常盤大学, 保健科学部, 講師 (40631718)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 反すう / マインドフルネス / 認知行動療法 / 気分 / 呼吸法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の目的は、開発した「反すうに着目した認知行動療法プログラム」の評価と得られた知見の発信であった。 そこで、修正したプログラムの介入効果を効果量を用いて検討した。結果、プログラム(呼吸法をメインとした演習)により、ネガティブな反すうのコントロールは向上した(介入4週目:d=0.337、介入8週目(プログラム終了時):d=1.011、介入終了1ヶ月後:d=1.304、介入終了3ヶ月後:d=1.011)。 さらに、ネガティブな反すう得点は減少し、プログラム終了後3カ月まで得点は減少し続けた(介入4週目:d=0.427、介入8週目(プログラム終了時):d=0.742、介入終了1ヶ月後:d=1.045、介入終了3ヶ月後:d=1.357)。ネガティブな反すうの減少やコントロールの向上と同時に、抑うつ気分は軽度減少し(介入4週目:d=0.182、介入8週目(プログラム終了時):d=0.296、介入終了1ヶ月後:d=0.437、介入終了3ヶ月後:d=0.412)。、疲労が改善し(介入4週目:d=0.380、介入8週目(プログラム終了時):d=0.546、介入終了1ヶ月後:d=0.808、介入終了3ヶ月後:d=0.826)、活気が上昇した(介入4週目:d=0.278、介入8週目(プログラム終了時):d=0.611、介入終了1ヶ月後:d=0.220、介入終了3ヶ月後:d=0.744)。 つまり、当プログラムは、ネガティブな反すうのコントロール技法の獲得、ネガティブな反すうの軽減により主観的抑うつ気分や疲労の軽減、活気の上昇に有用である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
修正プログラム介入に着手し、結果の中間評価、プログラムの再検討を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
修正プログラムではn=10とエビデンスの蓄積が十分であるとは言えない。また、プログラムの客観的評価が課題である。
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Causes of Carryover |
国際学会や類似領域の研究者からのアドバイスを得て、プログラムのブラッシュアップを重ねている。そのため、当課題で得られた知見を学会等を通じ還元する予定であったが、参加日数が予定よりも短く残額が生じた。プログラムの有用性拡大に使わせていただきたい。
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Research Products
(4 results)