2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of niucleic delivery system for targeting primary and metametastatic tumor
Project/Area Number |
15K20831
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 悠介 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (10735624)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | siRNA / 薬物送達 / 脂質ナノ粒子 / 粒子径 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度において、脂質ナノ粒子の小型化(直径50 nm未満)に伴うshort interfering RNA(siRNA)送達能の低下の原因解明を試み、脂質のパッキングの悪化による脂質ナノ粒子の不安定化が示唆された。H28年度においては、上記の結果を基づいて極小粒子径においても安定な粒子を形成可能な新規pH応答性カチオン性脂質の開発に着手した。また、前年度に引き続き、ナノ粒子の組織浸透性の向上を目的とした極小ナノ粒子形成を可能とする新規両親媒性素材の開発を行った。 前者については、これまで用いていたpH応答性カチオン性脂質とりも優れた脂質パッキングを実現する新規pH応答性カチオン性脂質の開発を行った。脂質分子同士の会合には疎水性相互作用が重要である。そこで、既存脂質YSK12(PCT/JP2015/064196)の疎水性足場の化学構造を変更した誘導体を複数合成し、培養細胞における遺伝子ノックダウン活性を測定した。その結果、これまでのpH応答性カチオン性脂質を含む極小脂質ナノ粒子(直径35 nm程度)では全く活性が認められない条件下において、80%以上のノックダウンを誘導可能な新規誘導体を見出した。細胞取り込み解析から、脂質ナノ粒子の培地中における安定性の向上が寄与していることが示唆された。 後者については、前年度に見出した両親媒性素材の疎水性足場を変更することで血中安定性および薬剤保持能を向上することに成功した。マイクロミキサー内蔵マイクロ流路を用いることで、最小で直径9 nm程度のナノ粒子を製造することに成功した。トリオレインを含有させることで粒子径を50 nm程度まで段階的に制御することにも成功した。直径10 nmと50 nmに調節したナノ粒子のがん組織内浸透性を比較したところ、50 nmの粒子は血管周辺のみに検出された一方で、10 nmの粒子はがん組織深部まで移行していた。
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Research Products
(8 results)