2018 Fiscal Year Annual Research Report
Pathogenicity of Avian Infuenza Virus Isolates in Vietnam to domestic ducks
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15K21168
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
曽田 公輔 鳥取大学, 農学部, 講師 (00582983)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 鳥インフルエンザ / アヒル / 病原性 / 重感染 / ベトナム |
Outline of Annual Research Achievements |
ベトナムの家禽群における鳥インフルエンザウイルスの流行を制御するために、流行ウイルスの家禽に対する病原性を評価する必要がある。前年度までに我々はベトナムおよび日本国内で分離された複数のH5亜型高病原性鳥インフルエンザウイルス(HPAIV)およびH6、9亜型の低病原性鳥インフルエンザウイルス(LPAIV)のアヒルに対する病原性を明らかにしてきた。本年度はこれらの成績を踏まえ、野外で見られるような、HPAIVおよびLPAIVが単個体のアヒルに重感染した場合を実験的に再現し、その転帰を評価した。 1週齢のアヒルにPBSまたはLPAIVを口腔及び鼻腔内に接種した。7日後にHPAIVであるA/muscovy duck/LBM808/2015 (H5N6)を同様に接種し、臨床観察を行うとともに口腔およびクロアカ中へのウイルス排出量を調べた。結果、LPAIVを接種していない場合はアヒルの生残率は25%であった一方、H6N6またはH9N2亜型LPAIVを先行感染させた場合は50および100%であった。また、LPAIVを接種した群では、非接種群と比較し、体外へのHPAIV排出量が有意に低下していた。以上の結果から、LPAIVの先行感染により、HPAIVのアヒルに対する病原性が干渉を受けて低下することが示され、本プロジェクトの大目的が達成された。HPAIVの病原性が低下した要因として、H6N6亜型LPAIVを先行感染させた場合は、NA亜型(N6)がH5N6 HPAIVと一致していたことにより、液性免疫が働いたことが考えられた。H9N2亜型LPAIVの場合は、先行感染により惹起された自然免疫により、HPAIVの病原性に影響を与えた可能性がある。 本事業終了後もHPAIVの病原性減弱に与った因子の解明を目指し、その成果の発表を行っていく予定である。
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Research Products
(4 results)