2016 Fiscal Year Research-status Report
「New Americans (新アメリカ人)」と21世紀アメリカ女性文学
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15K21311
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Research Institution | Sapporo University |
Principal Investigator |
渡部 あさみ 札幌大学, 地域共創学群, 教授 (90455006)
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Project Period (FY) |
2015-03-01 – 2020-03-31
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Keywords | 現代アメリカ文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、1965年の移民法改正以降に移民した「New Americans(新アメリカ人)」と呼ばれる人々を多数含むエスニック・グループのアメリカ女性文学作品の分析・考察を行うものである。対象としては、主に自己/コミュニティを主題とする2000年以降出版の作品を扱う。
これらの作品からグローバル化する「アメリカ」および個人のアイデンティティ形成について、人種/エスニシティ、ジェンダー、階級、身体などの文化的差異の観点から検討する。このことから、女性作家たちの多様な表象による脱中心化への寄与を検証し、また、現代のアメリカとアイデンティティに関わる諸問題を探ることを目的とする。 近年「New Americans」は急速に増え、現代アメリカにおけるエスニシティの構成を変化させており、将来的にはアメリカ内外の文化、社会、政治の場において存在感をさらに増していくと考えられる。現代エスニック・アメリカ女性文学における表象は個人的経験が重視されてきた歴史的背景から、必然的にローカルかつグローバルな視点を提供し、変わりゆく「アメリカ」と「アメリカ人」の過去・現在・未来を映し出すものである。そのため、彼女たちの自己およびコミュニティの表象とアイデンティティ形成にかかわる研究は、21世紀アメリカ女性文学、そして、今後の「アメリカ」を考える上でも重要性の高い研究だと考えられる。
平成28年度においては、各種データベースなどからアジア系アメリカ人女性文学、アラブ系アメリカ人女性文学、ラテン系アメリカ人女性文学についての文献資料を調査・収集をし、分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度においては、各種データベースなどからアジア系アメリカ人女性文学、アラブ系アメリカ人女性文学、ラテン系アメリカ人女性文学についての文献資料の調査・収集をし、分析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間においては引き続き、現代エスニック・アメリカ女性文学・文化の調査と研究を行う。作品は2000年以降に出版された作品を中心として対象とする。各種データベースの利用などにより作品についての文献資料の調査・収集し、自己/コミュニティおよび「アメリカ」の表象について分析と考察をする。
最終的には現代エスニック・アメリカ女性文学を横断的に比較検討し、成果発表を行っていくことを計画している。
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Causes of Carryover |
各種のデータベースの活用により、必要な資料文献を無料で入手できたものもあったため、予定より購入額が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度およびそれ以降の文献・資料購入および出張費用の一部とする予定である。
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