2019 Fiscal Year Research-status Report
「New Americans (新アメリカ人)」と21世紀アメリカ女性文学
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15K21311
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
渡部 あさみ 北海学園大学, 人文学部, 准教授 (90455006)
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Project Period (FY) |
2015-03-01 – 2021-03-31
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Keywords | 現代アメリカ女性文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、1965年の移民法改正以降に移民した「New Americans(新アメリカ人)」と呼ばれる人々を多数含むエスニック・グ ループのアメリカ女性文学作品の分析・考察を行うものである。対象としては、主に自己/コミュニティを主題とする2000年以降出版 の作品を扱う。これらの作品からグローバル化する「ア メリカ」および個人のアイデンティティ形成について、人種/エスニシティ、ジェンダー、 階級、身体などの文化的差異の観点から検討する。このことから、女 性作家たちの多様な表象による脱中心化への寄与を検証し、また 、現代のアメリカとアイデンティティに関わる諸問題を探ることを目的とする。
近年「New Americans」は急速に増え、現代アメリカにおけるエスニシティの構成を変化させており、将来的にはアメリカ内外の文化 、社会、政治の場におい て存在感をさらに増していくと考えられる。現代エスニック・アメリカ女性文学における表象は個人的経験が 重視されてきた歴史的背景から、必然的にローカルかつグローバルな視点を提供し、変わりゆく「アメリカ」と「アメリカ人」の過去 ・現在・未来を映し出している。そのため、彼女たちの自己およびコ ミュニティの表象とアイデンティティ形成にかかわる研究は 、21世紀アメリカ女性文学、そして、今後の「アメリカ」を考える上でも重要性の高い研究だと考えられる。
上記の課題に関わり、2019年度も前年度に引き続き各種データベースなどからアジア系アメリカ人女性文学、アラブ系アメリカ人女性文学、ラテン系アメリカ人女性 文学についての文献資料を調査・収集をし、分析した。成果発表については、論文1点を出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度においては、引き続き、調査・分析を継続して行い、各3文学および他のエスニック・アメリカ文学との比較を行うことを目標とした。アメリカに出張し、調査・分析については順調に遂行し、論文1点を発表した。 しかし、全研究期間中の勤務先の異動と業務量の都合、家庭の事情により、最終年度の総括を行うには時間が不足した。そのため、研究期間の延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在新型コロナウイルス問題により不透明な状況でもあるが、現時点では今年度もアメリカに調査出張を行い、引き続き、調査・分析を継続し、各3文学および他のエスニック・アメリカ文学との比較を行う計画を立てている。そして、関連の論文発表と総括を行うことを目標としている。
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Causes of Carryover |
本課題研究の研究代表者は、平成30年4月に大学を異動した。現任校では研究図書費に比較的余裕があり、文献資料を購入する費用について科研費で支出する必要がなかった。 残額は次年度の出張、図書費を含む研究に関わる物品費、その他の研究課題に関わる活動費用に当てる予定である。
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