2015 Fiscal Year Research-status Report
シナプス機能障害マウスを用いた新規発達障害モデルの検討・解析
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15K21319
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
真柳 平 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20432544)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シナプス / 脳機能 / 行動解析 / トランスジェニックマウス / 動物モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
PSD-Zip70KOマウスの行動特性について解析を行い、自発的な運動量や社会性行動については明らかな変化を認めない一方で、強い不安傾向と作業記憶および認知機能に異常が認められた。その要因としてPSD-Zip70を欠失することによって前頭前皮質のシナプス伝達に障害が生じていることを見出し、シナプス形成および成熟の制御に関わるRap2の活性が深く関与していることを明らかにした。PSD-Zip70はRap2の活性制御因子と結合し、局在および活性を調節することによってシナプスの機能制御に関わっていることを解明した。 さらに、PSD-Zip70KOマウスを用いて海馬をはじめとするPSD-Zip70を高発現している他の脳領域におけるシナプス機能および可塑的応答性の変化に注目して解析を進め、それによって影響を受ける行動特性について検証を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究成果に加えて新たな項目による行動解析を実施し、PSD-Zip70を欠失することによる行動特性への影響についての検証が進んだ。また、刺激依存的な結合タンパク質との相互作用、局在、シナプス機能への影響なの解析が進んでおりおおむね予定通りと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
動物へのストレス負荷による病態モデルも活用して疾患との関連について解析を進め、臨床検体を用いた検証につなげる。刺激依存的なシナプス可塑性におけるPSD-Zip70の関与についても今年度までの成果を活かして解析を進める。
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