2017 Fiscal Year Annual Research Report
Gender representation research in sports shojo manga
Project/Area Number |
15K21377
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
押山 美知子 専修大学, 文学部, 兼任講師 (90398719)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マンガ研究 / スポーツと女性 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は国会図書館所蔵の少女マンガ誌12誌(「なかよし」「少女フレンド」「別冊フレンド」「ちゃお」「少女コミック」「別冊少女コミック」「りぼん」「週刊マーガレット」「別冊マーガレット」「花とゆめ」「LaLa」「ひとみ」)の八〇年代スポーツ少女マンガについて、六〇・七〇年代同様に10項目のリストを作成し、その傾向をまとめた。 対象作品数は231で、作品数は七〇年代(374)の六割ほどに減少していた。連載作品の数は77作で、全体に占める割合は33%と七〇年代の25%より増えていた。掲載誌の割合は「週刊マーガレット」(37作・16%)、「別冊少女コミック」(37作・16%)、「ちゃお」(33作・14%)の順に多く、六〇年代から七〇年代にかけて最もスポーツ少女マンガを掲載していた「少女コミック」が、24作品(10%)と数を減らした。これは、同誌が1978年に週刊から月2回に刊行形態を変えた影響と見られる。「少女コミック」に代わり、同誌の出版社である小学館の月刊誌(「ちゃお」「別冊少女コミック」)が上位を占め、集英社と小学館の少女マンガ誌が引き続きスポーツ少女マンガを牽引したことに変化は無い。 最もよく描かれたスポーツは、1.テニス(47作)、2.バレーボール(29作)、3.陸上(27作)、4.バスケットボール(23作)の順であった。六〇~七〇年代からの変化として、水泳に代わるバスケットボールの浮上と、テニスに人気が集中した(七〇年代のテニスは41作)点が挙げられる。 八〇年代少女スポーツマンガの特徴として、1.主人公にとってスポーツの重要度が低下し、異性との恋愛に重きが置かれる傾向が強まる、2.スポーツは楽しむものという見方が中心的になり、コメディ作品が増える(スポ根のパロディ化)、3.主導的な男性指導者が減り、ヒロインを脇で支える男性キャラクターが多く描かれる等が見られた。
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