2016 Fiscal Year Research-status Report
年輪幅・年輪同位体比・DNAマーカーを用いた新たな木材産地推定法の検討(国際共同研究強化)
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15KK0032
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大山 幹成 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (00361064)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 年輪年代学 / 木材産地推定 / 年輪幅 / 酸素安定同位体比 / ヒノキ科 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ヒノキ科現生樹木を対象として、年輪幅、酸素安定同位体比を用いた木材産地推定法を、研究先進地であるヨーロッパの研究者と共同で検討し、わが国で初めて確立することである。そのため、渡航前に共同研究者と研究計画および使用する年輪のデータセットについてメールで意見交換して、十分な事前調整を行った。この計画と合意に基づき、既存データの情報整理作業を実施し、3月に渡航した。 これと並行し、未計測の試料(日本海側の3地点)について、渡航前に可能な限り年輪幅計測を行い、渡航後も引き続き、持参した画像データを用いて計測を実施した。また、酸素安定同位体比の測定もデータが不足していた地点(長野など)、年代について試料数を1~2点増加させ、測定を実施した。 渡航後は、持参した年輪幅・酸素安定同位体比データを元に共同研究者と検討を行い、木材産地推定の可能性を評価するための今後の解析方法(標準化、標準年輪曲線構築法、類似性評価に使用する統計的評価指標の選定)について、方針を決定した。また、多変量解析を用いた産地推定の手法についても、方針、解析方法を決定した。その後、この方針に従い、現生材18か所のサイトを対象として、年輪幅の解析を開始した。解析の第一段階としては、質的評価を経た各標準年輪曲線の確立が必須であり、既往のデータも含めた再解析が必要である。年度内に、4か所のサイトについて解析を完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点まで、データの収集状況は順調であり、共同研究者とのデータ検討と今後の方針決定についても、当初の予定通り進展している。そのため、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成29年度6月を目途に、決定した方針に従って解析を進める。この結果を受けて、7月~8月にかけて、共同で検討を行い、我が国における木材産地推定の可能性について一定の結論を出す予定である。帰国後は、成果のとりまとめを行い、論文にまとめる。
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Research Products
(4 results)