2017 Fiscal Year Research-status Report
年輪幅・年輪同位体比・DNAマーカーを用いた新たな木材産地推定法の検討(国際共同研究強化)
Project/Area Number |
15KK0032
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大山 幹成 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (00361064)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 年輪年代学 / 木材産地推定 / 標準年輪曲線 / ヒノキ科 / 年輪幅 / 酸素安定同位体比 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年3月から8月までスペイン・Santiago de Compostela大学に滞在し、Marta Dominguez-DelmasおよびIgnacio Garcia-Gonzalezと、日本産ヒノキ科樹木の木材産地推定について年輪年代学手法を用いて検討を行った。まず、一部のサイトでは標準年輪曲線が未確立であったため、年輪幅の計測を実施し、全データの再度のクロスデーティングを経て、最終的に19サイトで現生年輪試料の標準年輪曲線(152年~310年長)を構築した。これらを対象に、この標準曲線間のt値を総当たりで算出したところ、各地域集団内(例えば東北北部など)の曲線間でt値が高くなる傾向が認められ、地理的・気候的区分に従って年輪幅変動が類似していることが明らかとなった。主成分分析の結果も同様に、地域集団ごとにグループ化が可能であった。主成分負荷量から各主成分は各地の地理的・気候的特徴を表していると推定された。クラスター分析でも、各サイトの標準年輪曲線は地域集団ごとにクラスターを形成することが示された。以上の結果から、年輪幅変動は、樹種や標高ではなく、地理的・気候的区分に従って類似していることが明らかになり、我が国においても木材産地推定が可能であることが示された。さらに、全個体を対象としたクラスター分析を行ったところ、ほとんどの個体がサイトごとにクラスターを形成した。そのため、地域集団内の比較的近接したサイト間でも木材産地推定が行える可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
木材産地推定において不可欠な地域間の年輪幅変動の類似性については、3種類の解析を行ったことで、一定の結論を得るに至った。この内容については、学会発表を行うとともに、現在、論文の執筆を進めており、予定通り進捗していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、現生試料の酸素安定同位体比の測定を進めているが、引き続き着実に試料作製と測定を実施してデータを蓄積し、年輪幅と同様の解析を行って地域間類似を検討する予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] 旧円覚寺仁王像復元制作に関する研究2018
Author(s)
園原謙, 長谷洋一, 岡田靖, 上江洲安亨, 大山幹成, 門叶冬樹, 園部達也, 山田千里, 本多貴之, 宮腰哲雄
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Journal Title
沖縄県立博物館・美術館, 博物館紀要
Volume: 11
Pages: 67~110
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[Presentation] Status of the AMS system at Yamagata University2017
Author(s)
Moriya, T., Takeyama, M., Shitara, R., Sato, R., Sakurai, H., Umebayashi, T., Toyoguchi, T., Shiraishi, T., Miyahara, H., Ohyama, M., Nozawa, K., Ito, S., Tokanai, F.
Organizer
14th International Conference on Accelerator Mass Spectrometry
Int'l Joint Research
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