2018 Fiscal Year Research-status Report
東シナ海域の基層文化と人々の生活:日韓境界領域の事例より(国際共同研究強化)
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15KK0047
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
金 明美 静岡大学, 情報学部, 准教授 (50422738)
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Project Period (FY) |
2016 – 2019
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Keywords | 東シナ海域 / 基層文化 / 生活文化 / 民俗宗教 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績として、大きく以下の三点が挙げられる。 一点目として、海外の受け入れ先機関である中国・浙江大学での調査研究を通して、地域のコミュニティの営みや人々の生活文化についてフィールドワークを通じた理解により東シナ海域の基層文化にアプローチするという本研究の文化人類学的な地域研究の課題を遂行する上で重要だと考えられる文献研究や情報収集を行うことができた。また、浙江大学の共同研究者(阮云星教授、安成浩副教授)をはじめ、中国及び諸外国の研究者や一般の人々と直接対話する機会や経験を持ったことで、中国の地域でフィールドワークを実施する上で必要となる知識や感覚を得ることができた。 二点目は、浙江省舟山市(舟山群島)普陀区海域の蝦峙島及び六横島の村落、浙江省台州市三門県の村落、浙江省麗水市青田県の村落、福建省福州市倉山区の村落でフィールドワークを行ったことにより、本課題を遂行する上で有益かつ貴重なフィールドデータを得ることができた。特に、福州市倉山区の義序で実施した現地調査から得たフィールドデータは、共同研究者の阮教授と共に「当代“宗族郷村”的“半辺天”:基于福建義序信俗个案的性別人類学研究(現代「宗族郷村」を支える女性たち:福建省福州市義序における民俗宗教の事例に基づくジェンダー人類学的研究)」の下に整理し、2019年6月2日に東京農工大学で開催される第31回日中社会学会シンポジウムで発表予定である。 三点目は、日本語の校正・翻訳(原文は中英韓日の四か国語)を担当した『高麗画全集1欧美蔵品巻』が出版されたことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の調査対象である東シナ海域方面は、国際情勢の影響等で中国の地方政府からの村落調査の許可を得難く、受入機関の研究者の同行協力を得て当初の計画より遅い2019年1月末から滞在型のフィールドワークを実施することとなった。このため2019年度にも滞在調査を追加し遅れが出た分の調査を完了し、それらのデータを整理して成果発表を行う必要があり、補助事業期間の延長を申請したため。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、これまでの研究成果をまとめて発表すると共に、当初予定していた調査目的を完了させるべく、追加のフィールドワークを実施し、この調査を反映したデータの整理を行い、研究成果を発表する。
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Research Products
(2 results)