2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study for terra sigillata(Fostering Joint International Research)
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15KK0070
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Research Institution | The National Museum of Western Art, Tokyo |
Principal Investigator |
向井 朋生 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, リサーチフェロー (30620463)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 美術史 / 工芸史 / 考古学 / 古代ローマ / 多国籍 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、南イタリアとキプロス島における短期の遺物観察および博物館調査によって資料の補てんを行ったほかは、当該国際共同研究の目的とする古代地中海シギラッタのデーターベースサイト作成にあたり、フランスのウェブマスター、アナイス・クーデールと協力しインターネットサイトの立ち上げ作業を行った(ceramique-sigille-mediterranee.com)。 その中において、紀元前二世紀から紀元後七世紀に渡って生産・流通した地中海各地のテッラ・シギラタにおける、研究上確認されている主要カテゴリーが項目別に記述されている。また、それら主要カテゴリーにおいて、サンプルが入手できた分については、ジェノヴァ大学のクラウディオ・カペリによる土器胎土の薄片分析と偏光顕微鏡写真も挿入した。 サイト構築作業と並行して、カミーユ・ジュリアン研究が所属するエクスマルセイユ大学の考古学専攻生複数名を作業補助として、テッラ・シギラタを中心とする古代地中海土器に関する欧州言語の主要参考文献を、フリー参考文献ソフト(Zotero)を使用してリスト化し、一部をPDF化して電子図書館を構築した。 これら本課題の成果は、テッラ・シギラタの基礎資料が存在しないわが国の研究者にとって、テッラ・シギラタ研究へのアプローチを容易にするための道具と成り得ることを期待されているものである。また、インターネットサイトと言う特性は、当該国際共同研究期間終了後も本研究代表者による絶え間ないデータの増量・改変を可能にするものである。
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