2018 Fiscal Year Annual Research Report
Arrangements of hyperplanes and conics via real structures(Fostering Joint International Research)
Project/Area Number |
15KK0144
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉永 正彦 北海道大学, 理学研究院, 教授 (90467647)
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Project Period (FY) |
2016 – 2018
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Keywords | 超平面配置 / Tutte多項式 / マトロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、超平面配置の「多面体的構造」および「コアメーバ」に注目することで、組み合わせ論的、位相的な様々な問題にアプローチすることを目指している。 昨年に引き続き、研究内容は、(1)ルート系のLinial配置の特性多項式に関するPostnikov-Stanleyの予想周辺、(2)コアメーバと超平面配置補集合の位相構造に関する研究、(3)直線配置のミルナーファイバーへのモノドロミー作用の研究、を引き続き進めた。(1)については、コンピュータを使った計算を援用することで、膨大な数の場合分けを実行することで「予想」が正しいことが検証できた。この研究では、特性準多項式という概念が非常に重要になるのだが、特性準多項式や様々なTutte多項式の一般化を統合するG-Tutte多項式という概念を(Ye Liu, Tan Nhat Tranと共同で)導入し、その基本性質について調べた。特に、特性準多項式の「成分」と呼ばれる多項式が、トーラス配置の交差半順序集合の部分ポセットの特性多項式になることを証明した。(2)については、植田一石氏との議論により、超平面配置補集合のミラー対称性を調べる際に、コアメーバが重要な役割を果たすことが示唆されたが、実際の記述は予想以上に複雑になり得ることがいくつかの例で検証された。(3)については、ミルナーファイバーのコホモロジーのモノドロミー作用の表示は、有限体上の青本複体という組み合わせ論的対象により記述できるだろうと予想(Papadima, Suciu)されていたが、その予想が成立しない例(3次元空間内の16枚の平面配置)が見つかった。さらにこの例は、ミルナーファイバーの1次のホモロジー群がねじれを持つことも分かった。これは20年近く探し求められていた性質を持つ初の例である。 上の諸結果を、論文としてまとめ専門誌へ投稿し、内外で口頭発表した。
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