2016 Fiscal Year Research-status Report
単結晶からなる三次元サブミクロン周期構造体のエピタキシャル成長技術の開発(国際共同研究強化)
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15KK0205
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三宅 正男 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (60361648)
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Project Period (FY) |
2016 – 2017
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Keywords | フォトニック結晶 / 水熱合成 / エピタキシャル成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
半導体材料のナノポーラス化により、反応性の向上などの様々な新機能の獲得を試みる研究が行われている。しかし、従来のポーラス材料の作製法のほとんどでは、多結晶またはアモルファスの物質で構成された材料しか得られない。このため、欠陥密度が高く、光学特性や電気特性が著しく低い。ナノポーラス半導体材料を利用した高機能デバイスを実現するためには、ポーラス材料を構成する物質自体の結晶性を向上させ、物質本来の特性を最大限に発揮させることが必要不可欠である。そこで、本研究では、半導体単結晶からなる三次元ナノポーラス材料を作製する技術の開発を行う。 酸化亜鉛単結晶からなるナノポーラス材料を得ることを目的に、三次元構造のテンプレート内に酸化亜鉛をエピタキシャル成長させる技術の確立を検討した。フローリアクターを用いた水溶液プロセスにより、析出の駆動力を精密に制御することで、複雑な三次元構造をもつ細孔内に、酸化亜鉛を選択的にエピタキシャル成長させることに成功した。得られたナノポーラス構造体が、多結晶酸化亜鉛からなるものではなく、単結晶 酸化亜鉛であることを XRD 解析によって確認した。テンプレートとして、コロイド結晶だけでなく、ブロックコポリマーをベースとするナノポーラスポリマー膜を使用した場合にも、酸化亜鉛の選択的エピタキシャル成長を成功させることができた。これにより、規則的なメソ孔を有する単結晶 ZnO 層を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
単結晶からなるメソポーラス層の形成に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究によって得られた単結晶 ZnO ナノポーラス材料が、従来の多結晶からなるポーラス材料よりも、優れた光学・電気特性をもつことを実証する。比較対象として、多結晶ナノポーラス材料を作製し、それぞれの光学、電気特性の測定を行い、評価・解析を行う。この過程において、単結晶ポーラス材料特有の新たな機能および物理現象を発見することを期待している。
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