2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15KK0255
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小野田 雄介 京都大学, 農学研究科, 助教 (70578864)
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Project Period (FY) |
2015 – 2017
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Keywords | 生物多様性 / 光合成 / 細胞壁 / 光獲得競争 / 適応放散 / 機能形質 |
Outline of Annual Research Achievements |
オーストラリア・マッコーリー大学に当年度は2度滞在し、共同でデータ解析と論文執筆を行った。受け入れ研究者のWright博士とともに、4カ国の研究者と国際共同研究チームを組織して、葉の光合成と細胞壁に関する世界規模のデータベースを構築した。 数百種に及ぶ詳細なデータを解析した結果、長い寿命をもつ葉は、細胞壁の重量割合が高く、そのため、光合成タンハク質の割合が少ないこと、さらに細胞壁が厚いためにCO2拡散抵抗が高まることにより、光合成の効率が低いことが明らかになった。これらの研究結果は、植物科学の一流雑誌に掲載され、また生態学の権威であるReich教授による論評も付けられるなど、注目度が高い論文になったと考えている。 アメリカ・ハワイ大学ヒロ校に研究拠点を置き、ハワイ島の多様な環境に適応放散しているハワイフトモモの形質調査を行った。約20地点に調査地を設定し、各地点40個体のサンプリングを行い、ハワイフトモモの機能形質の集団間・集団内多様性の評価を行った。研究結果について、Stacy教授やCordell博士らと議論を行った。本調査は学生を含めたチームで行っており、学生やポスドクの国際経験を上げることに寄与している。またハワイフトモモに関する生理機能や遺伝的構造に関する論文も発表することもできた。 オランダ・ワーゲニンゲン大学に滞在し、Anten教授をはじめ、複数の研究者と植物の光獲得競争に関する議論を行い、共同研究の具体的な計画を協議した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究・調査は順調に進んでおり、国際共同研究による論文発表もできた。また指導している学生や若手研究者の論文も発表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
6-8月にかけて、ハワイ大学ヒロ校を拠点に、ハワイフトモモの追加調査を行う。調査で得た大量のサンプルの化学分析を進め、論文としてまとめる。 オーストラリア・マッコーリー大学と、オランダ・ワーゲニンゲン大学との共同研究は既に一定の成果を上げており、緊密な連携を維持しつつ論文執筆を進める。さらなる直接議論が必要な場合には、11月前後に現地に滞在する。その他、研究の進展に応じて、追加の渡航をするなど柔軟に対応する。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] The population genomic signature of environmental selection with gene flow in an ecologically divergent tree species Metrosideros polymorpha (Myrtaceae)2016
Author(s)
Izuno A, Kitayama K, Onoda Y, Tsujii Y, Hatakeyama M, Nagano AJ, Honjo MN, Shimizu-Inatsugi R, Kudoh H, Shimizu KK, Isagi Y
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Journal Title
Molecular Ecology
Volume: 26
Pages: 1515-532
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 光合成能力の種間差のメカニズムと生態学的意義2016
Author(s)
Onoda Y, Wright IJ, Evans JR, Hikosaka K, Kitajima K, Niinemets U, Poorter H, Tosens T, Westoby M.
Organizer
日本植物学会第80 回大会
Place of Presentation
沖縄
Year and Date
2016-09-16
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