2017 Fiscal Year Annual Research Report
Chemical genetic approach toward eradication of noxious parasitic weed Striga hermonthica
Project/Area Number |
15KT0031
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
土屋 雄一朗 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任准教授 (00442989)
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Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2018-03-31
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Keywords | ストリゴラクトン / 植物ホルモン / 寄生植物 / ストライガ |
Outline of Annual Research Achievements |
世界で最も深刻な食糧問題の一つは、ハマウツボ科の寄生植物であるストライガ(Striga hermonthica)によって引き起こされていることが知られている。本研究では、ストライガの撲滅を目指し、種子を強制的に発芽させることで枯死させる自殺発芽剤の開発を行った。植物ホルモンであるストリゴラクトンは、ホスト植物が根から放出するホストファクターであり、ストライガの発芽を刺激する非常に強い活性を持つことが知られている。一方、植物ホルモンとして、作物自身の成長に関わり、また、共生するアーバスキュラー菌根菌とのコミュニケーションにも利用される分子である。ストリゴラクトンをベースとした戦略では、ストライガに選択的に作用する高活性、かつ安価に合成できる化合物の開発が望まれている。本研究では、まず、低分子化合物スクリーニングよりストリゴラクトン様活性を示すシンプルな人工化合物骨格を見出し、そこにストリゴラクトンの活性部位を融合したハイブリット分子(コードネーム:SAMR690)を開発した。当該化合物は高アフィニティーストリゴラクトン受容体であるShHTL7に選択的に作用し、フェムトモーラーレベルでストライガの発芽を刺激する非常に高活性な化合物である。さらに、作物と菌根菌の相互作用、あるいは作物の生育といったストリゴラクトンの有益作用を損なうことなく、ストライガの自殺発芽を誘引することを実験室レベルでの試験で証明した。3ステップという非常にシンプルな合成法で生産できることから、アフリカ現地での実用レベルでの効果が期待される。
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Research Products
(9 results)