2015 Fiscal Year Research-status Report
平和構築における脱過激化を促進する取り組みのモデル研究
Project/Area Number |
15KT0042
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
伊勢崎 賢治 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (30350317)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 稔 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10201948)
宮城 徹 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 教授 (30334452)
Mohamed Abdin 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 助教 (40748761)
福田 彩 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (90650375)
池田 満 南山大学, 人文学部, 講師 (90596389)
|
Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2018-03-31
|
Keywords | 脱過激化 / テロリズム / 平和構築 / 紛争解決 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「平和構築における脱過激化を促進する取り組みのモデル研究」では、平和構築や紛争解決において問題となるテロ等の暴力的行動に代表される行動や思想の過激化のメカニズムを研究する。更に、過激化した行動および思考を過激でなく暴力的でないものに導くためにはどのような取り組みが有効かという問いの元、既存の脱過激化を目指したプログラムを調査・効果測定し、脱過激化を促進する平準化され得るモデルを導きだす研究を行う。そのために、理論研究では国際政治、平和構築・紛争予防、心理学等の分野横断的研究を実施し過激化・脱過激化のメカニズムを明らかにし、実践研究では紛争地域で行われている脱過激化の取り組みを調査する。その上で、脱過激化が達成される効果が見込める平準化されたモデルを提案する。実践研究においての実地調査対象地域は、主に今なお対立中であり過激化の温床であるインド、パキスタンの係争地であるカシミール、またインド本土、パキスタン本土を対象とする。 研究計画の初年度は、過激化・脱過激化のメカニズムの理論基盤を確固たるものにすると共に、調査対象とする脱過激化プログラムの調査を目的とした。 (1)理論研究:最終的には脱過激化の平準化されたモデル提案が目的であるので多角的な視点を取り込むため、文献研究のみならず紛争経験国学術ネットワークの研究者を東京へ招聘し、研究会を実施、多様な紛争地の知見や経験をも反映させ理論的基盤につき議論した。また、次年度以降の脱過激化プログラムの調査と効果測定を実施するため、プログラム評価枠組みを構築した。 (2)実践研究:次年度以降で脱過激化プログラムの調査と効果測定を実施するため、紛争経験地へ赴き調査研究対象とするプログラムを選定するための聞き取り調査を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、脱過激化の平準化されたモデル提案のための理論的基盤構築および効果測定のための脱過激化プログラムについての聞き取り調査を行うという二本柱の課題を掲げており、理論的基盤構築のためには文献研究のみならず紛争経験国学術ネットワークの研究者を東京へ招聘し、研究会を実施、議論することを達成し、紛争経験地での脱過激化プログラムについての聞き取り調査についても実施することができたため、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画の二年度目は、理論研究では脱過激化のメカニズムの仮説立案、実践研究では選定された脱過激化プログラムの調査・効果測定を行うことを目的とする。 (1)理論研究:初年度に実施された理論研究基盤を元に、脱過激化を成し得るメカニズムを仮説として立案。 (2)実践研究:初年度に調査されたプログラムを対象に、プログラムの分析および効果測定を、構築されたプログラム評価枠組みに則って実施。
|
Causes of Carryover |
旅費において、日当・宿泊費等を節約した結果、次年度使用額が発生した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度も旅費が大きな割合を占めることとなる予定のため、次年度使用額は旅費に充当する計画である。
|
Research Products
(12 results)