2016 Fiscal Year Research-status Report
計算論的トポロジーによる病理形態解析アルゴリズムの連携展開
Project/Area Number |
15KT0100
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
寺本 敬 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (40382543)
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Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2018-03-31
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Keywords | 応用数学 / 計算トポロジー / 計量病理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホモロジー理論による病理画像の形態分析として、免疫組織化学染色された乳がんの顕微鏡画像からパーシステントズダイアグラムを計算した。 病理医が目視観察し、直感的な判断、または実際に数えることによって算出する標識率に対応する量として、パーシステントホモロジー指数を定義し、パーシステントダイアグラムの計算結果から評価した。この指数は、連携研究者との共同作業と議論から考案し、病理医の直感に近いものとなっている。標識率だけでなく、細胞核の形態についての情報抽出についても検討した。結果を英文の共著論文としてまとめ、国際学術誌に投稿し、応用トポロジーの国際学会で発表予定である。また結果の一部を和文総説として、病理学分野の国内誌に発表した。 計算トポロジー解析の計算事例を増やすことを目指し、高分子共重合体系のミクロ相分離モデルを考案した。その数値シミュレーションによって, 興味深いトポロジーを持つ相分離構造群を再現することに成功し、3D トモグラフィーによって実験から再構成された構造と比較した。結果を、実験研究者を含む材料科学分野の研究者らと英文の共著論文としてまとめ, 国際学術誌に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
免疫組織化学への応用例として、浸潤性乳がんの染色画像のパーシステントダイアグラムによる定量的な分析を行った。 ホモロジー理論に基づく数値指標を提案し、病理医の目視判断と比較評価した。結果を英文の共著論文としてまとめ、国際学術誌に投稿し、応用トポロジーの国際学会で発表予定である。また結果の一部を和文総説として、病理学分野の国内誌に発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
計算ホモロジーの計算を免疫組織化学の他の染色画像についても適用し、方法論の汎用性を示す。新しく倫理委員会での審査承認を待つ必要がある。数学的見方と病理医側からの見方では、重要視する点が異なる場合が多い。視点を交差し、お互いの分野の価値観を尊重した協働姿勢が重要である。成果発表においては。この点についても強調する必要がある。ホモロジー理論による計算事例を単に増やすだけではなく、築いた連携体制を維持強化し、研究ネットワークの拡大を目指す。
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Causes of Carryover |
購入予定の計算機ワークステーションのバージョンアップが年度内に間に合わず, それを待ってから購入を実施するために次年度へ繰り越すことにした. 3 年ぶりのバージョンアップである為, それを待つことによって, 現在使用中の計算機ワークステーションを効果的に更新できる.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
バージョンアップが年度を明けた 4 月に実施されたため, 予定どおりに計算機ワークステーションを購入し, 必要なソフトウェアと合わせて整備する.
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