2005 Fiscal Year Annual Research Report
新学問領域「メタロミクス(Metallomics)」の創成
Project/Area Number |
16002009
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
原口 紘き 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70114618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤森 英治 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30291412)
長谷川 拓也 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50377800)
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Keywords | メタロミクス / 生体金属支援機能科学 / 微量金属元素 / 生物細胞 / 金属酵素 / 全元素分析 / 化学形態別分析 / 拡張元素普存説 |
Research Abstract |
本研究は、研究代表者である原口が提唱する「メタロミクス(Metallomics)」を生体金属に関する総合化学として構築し、新学問領域を創成することを目的とする。メタロミクスは日本語では「生体金属支援機能科学」、また金属と結合して生体中で生理機能を発現する物質の総体は「メタローム(Metallome)」と提案している。現在、遺伝子科学であるゲノミクス、タンパク質科学であるプロテオミクスが先端の生命科学研究領域として注目されているが、メタロミクスをこれらの学問と共生する研究領域として体系化するのが本研究の大きな目的である。本年度は研究の2年目の中間年度であるために、平成17年7月理工系委員会委員による現地調査をうけ、これまでの研究の進捗状況、並びに研究成果の説明を行った。その結果は「A」の評価をいただき、現行のまま推進すればよいとのことであった。 本研究課題は、研究代表者が提唱する(1)拡張元素普存説、(2)細胞小宇宙説、を基本原理として、地球上の生物は細胞レベルにおいて、周期表中のすべての元素を含むとすることの証明を第1の研究目標にしている。これについては、イクラ卵細胞(サケの卵)について67元素の存在を明らかにした。第2の研究目標である細胞中元素の化学形態別分析については、SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)/ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析計)複合分析システムによって、鉄、銅、亜鉛をはじめとする多くの金属元素が分子量の異なるタンパク質と特異的に結合して存在すること明らかにした。更に、第3の研究目標である金属タンパク質。金属酵素の検索では、鉄酵素であるカタラーゼ、亜鉛酵素であるアルカリホスファターゼ、RNAポリメラーゼ、さらにセレン酵素であるグルタチオンペルオキシダーゼがイクラ卵細胞中に存在することを明らかにした。
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Research Products
(7 results)