2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16002011
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
須田 年生 Keio University, 医学部, 教授 (60118453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 文用 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90365403)
田久保 圭誉 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (50502788)
永松 剛 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70453545)
吉原 宏樹 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90348706)
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Keywords | 造血幹細胞 / ニッチ / 骨芽細胞 / 自己複製能 / Tie2 / Angiopoiedn-1 / 活性酸素 / Mpl / Thrombopoietin / ATM |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、造血幹細胞とニッチ細胞の相互作用を解析し、幹細胞の分裂制御機構の解明を目ざした。 1) Ang-1/Tie2およびTPO/mplによる幹細胞の静止期化シグナルの下流に細胞周期停止に関与するCDK inhibitor, p57分子が存在することがわかったので、この分子の機能解析をおこなった。免疫沈降法により、p57には、HSP70が結合していることが明らかになり、現在、p57の細胞内分布、Cyclin D2・細胞周期との関係を解析している。また、p57遺伝子の発現は造血幹細胞特異的であるため、p57promoterにGFPをつないだトランスジェニックマウスを作製し、幹細胞のin vivo動態をGFPで追跡することが可能となった。 2) ATM欠失マウス(Nature, 2004)およびFOXO3a欠失マウス(cell stem cell, 2007)において幹細胞の未分化性維持機構が破綻していることを見出した。その原因として、酸化ストレス(ROS)の蓄積が考えられ、ROSにより幹細胞におけるN-cadherinの発現が低下することを見出している(BBRC2007)。このデータに基づき、20年度は、wild-typeおよびdominant negative N-cadherinを幹細胞に導入し、幹細胞のin vitroおよびin vivoでの増殖に与える作用を検討した。その結果、N-cadherinは、b-cateninの核内移動を抑制し、細胞の分裂・増殖を抑制することが明らかとなった(Cell Stem Cell, in press)。すなわち、N-cadherinは、ニッチとの接着により、幹細胞の分裂を抑制する重要な分子といえる。本研究は、ROSおよび接着分子を介した(がん)幹細胞のニッチ細胞への脱着を制御する技術開発につながると考える。
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Research Products
(8 results)