2004 Fiscal Year Annual Research Report
IgM/IgA免疫グロブリンによる感染防御の分子基盤
Project/Area Number |
16017215
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
渋谷 彰 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (80216027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 伸一郎 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60360640)
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Keywords | 自然免疫 / 獲得免疫 / IgM / IgA / 感染症 |
Research Abstract |
我々は、抗原提示細胞膜上に発現するIgM/IgA抗体に対するFc受容体(Fcα/μレセプター)を世界に先駆けて同定し、これが黄色ブドウ球菌などの病原微生物とIgM抗体との免疫複合体の抗原提示細胞内への取り込みに直接関与していることを発見し、IgM抗体による病原体の排除機構を解明する重要な手がかりを得た。さらに最近、小腸Paneth細胞や腎尿細管上皮などの粘膜細胞に発現する分泌型であるFcα/μレセプターのアイソフォームを同定し,このFcα/μレセプターの細胞外領域に大腸菌に対する抗菌作用があることを示唆するデータを得た。Fcα/μレセプターはB細胞、FDC, B1B細胞に発現することを明らかにした。これらの細胞におけるFcα/μレセプターの免疫応答における機能を解明するため、ノックアウトマウスを作製した。このマウスはメンデルの法則に従って正常に産まれた。T細胞依存性抗原ならびにT細胞非依存性抗原に対する抗体産生の異常が認められた。またT細胞非依存性抗原による免疫に対して胚中心の形成の亢進が見られた。一方、本研究ではさらにB細胞に強制発現させたトランスジェニックマウスを樹立した。T細胞非依存性抗原に対する抗体産生の異常が認められた。以上の結果から、Fcα/μレセプターは抗体産生機構に重要な役割をになっていることが示唆された。現在、Fcα/μレセプターの抗体の成熟、免疫記憶における役割について、さらに解析をすすめている。
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Research Products
(6 results)