2004 Fiscal Year Annual Research Report
エイズ粘膜ワクチン開発へ向けて:HIV特異的分泌型IgA誘導システムの開発
Project/Area Number |
16017230
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清野 宏 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10271032)
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Keywords | 粘膜免疫 / 粘膜ワクチン / AIDSワクチン / 分泌型IgA / 経鼻ワクチン / 経口ワクチン |
Research Abstract |
本研究計画では、我々が最初に開発したmCT(S61FK E112K : PNAS 94:5267,1997)と、その改良型として開発したmCT-A/LT-Bキメラ分子(JID18:1261,2002)を使用したHIVワクチン用粘膜アジュバントやFL抗原送達法(JI167:1406,2001;JI 170:495,2002)の応用化に向けた研究を展開している。特にヒトへの応用を目指して、霊長類(例:Rhesus macaque)を使ったmCTやmCT-A/LT-Bの粘膜アジュバント効果やFLの抗原送達効果の検討を進めている。 そこで、第一世代のmCTに関しては、ヒトへの応用性をめざして霊長類での検討を開始した。本実験ではRhesus macaqueをHIVgp120(100ug)とmCT E112(25-100ug)を混合し経鼻ワクチンとしてサルに投与した。対照群としてはHIVgp120単独投与と既にサルにおいて粘膜アジュバント効果を確認した自然型毒素を混合したグループを設定した。mCT(100ug)添加群において、サルでの粘膜免疫増強効果が確認されている自然型毒素と同様に、抗原特異的IgG抗体の血清中への誘導を確認した。また、分泌液中においてもgp120特異的IgA抗体の誘導が確認された。一方、mCT25ugでは、顕著な抗原特異的免疫応答の増強な認められなかった。gp120特異的抗体誘導が粘膜系と全身系両者で確認された段階で、末消血CD4^+T細胞とCD8^+T細胞を分離し、培養系において同一抗原で再活性・増殖させた後に、培養上清はELISAで、細胞はELISPOTとFACSを併用して抗原特異的Th1、Th2、CTL誘導効果を検討し、抗原特異的Th細胞誘導効果も確認出来た。本年度の研究では、無毒化変異型アジュバント(mCT E112K)のサルにおけるHIVgp120に対する粘膜免疫増強効果が確認された(JI 173:6850,2004)。
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Research Products
(10 results)